ソニーvs.任天堂、携帯ゲーム新機種発表で株価に明暗

 クリスマス、年末年始商戦を控えて、今年も携帯ゲームの新機種が相次いで公表されている。9月21日には任天堂とソニーが同時に新機種の概要を明らかにしたが、任天堂の株価が22日まで3営業日続伸となった一方で、ソニーは22日まで6営業日続落と明暗を分ける展開となっている。

 任天堂は21日、新携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」を12月2日に発売すると発表した。希望小売価格は1万5000円。ニンテンドーDSはディスプレイを2つ備え、2画面を同時に使ったプレイや、タッチパネルによる操作が可能。また、近距離・遠距離双方の相手と通信可能なワイヤレス機能などを備えている。

 米国の見本市でも話題を集めた「ニンテンドーDS」は、世界市場でも大きな成功を収めつつある現行の「ゲームボーイアドバンス」の後継機種。この「ニンテンドーDS」には意欲的な新機軸が盛り込まれている。まず、ダブルスクリーン機能は、2つの液晶画面を1つの大画面として使用できるのはもちろん、異なる視点でゲームを楽しんだり、ゲームとメールを別々の画面で操作したりできる。また、従来のボタン操作に加えて、専用ペンや指での入力が可能なタッチスクリーン機能がゲーム機で初めて採用されたほか、ワイヤレス通信でネットワークゲームにも対応する。さらに、他のニンテンドーDSとワイヤレスで通信し、文字メッセージや手書きのイラストが送れる「ピクトチャット」アプリケーションも内蔵している。現在500種類以上存在するゲームボーイアドバンス用ソフトもプレイできるのが特徴。

 同日、家庭用ゲーム機器でライバル企業となるソニー・コンピュータエンタテインメントも携帯型ゲーム機「PSP」について発表を行っている。ただし具体的な発売日や価格についての詳細は明らかにしていない。同時に、プレイステーション2の小型機「SCPH-70000」についても発表した。価格はオープンだが、2万円弱となる見込み。11月3日から販売を開始する。SCPH-70000の基本性能は現行のプレイステーション2と変わらないものの、体積が約4分の1、重さが約2分の1と大幅に小型軽量化することに成功している。また、ネットワークに接続するためのイーサネットポートを標準搭載している。部品点数は約1200点となり、プレイステーション2の約1600点から減少した。ただ、ソニーはPSPの生産体制の不備により、現時点で一定出荷数量の確保が疑問視されていることから、株価面では続落に歯止めのかからない状態が続いている。

 任天堂の株価が堅調な展開となっていることについて、市場では「映画、音楽再生機能を持つPSPの価格は最低でも3万円以上となることが見込まれ、ニンテンドーDSのすみわけは十分可能」との見方がでており、携帯ゲーム機市場活性化が期待されている。証券会社系の調査機関では任天堂のDSについて、発売時期、価格とも概ね前向きに評価している

 22日付では、大和総研とUFJつばさ証券がレポートを発表して任天堂を取り上げ、両調査とも、同社ゲーム機の発売時期、価格ともにポジティブと評価している。投資判断でも大和総研が「2(5段階中最上位から2番目)」、UFJつばさ証券も「A(やや強気)」を継続している。

 今後、PSPの価格や発売日などの詳細が発表された際のソニーの株価動向が注目されるところだ。

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