ヤフー好決算の発表で株価は反転上昇するのか

 ヤフーは7月21日、2005年3月期の第1四半期(4〜6月)の決算を発表した。連結純利益は前年同期比83%増の83億1100万円と大幅増益を達成した。同社は期初に、第1四半期の連結純利益について68億5000万円〜77億5000万円と予想しており、この目標を上回った。果たしてこの好決算がキッカケとなって、4月上旬以来続いている株価の下落傾向に歯止めがかかり、反転上昇することになるのだろうか。

 第1四半期の連結決算は、売上高244億9500万円(前年同期比57%増)、営業利益134億7000万円(同60%増)、経常利益135億1600万円(同64%増)と、好調な推移となった。

 情報掲載や検索などのリスティング事業では、4月からのリクルートとの提携による求人情報サイト「Yahoo!リクナビ」が好調だったことが売り上げ増に貢献した。また、広告事業では、従来はほとんどなかった飲料や化粧品、トイレタリー、医薬品といった新規クライアントからの出稿が大幅な増加をみせたことが寄与した。

 オークション事業では、不正な出品・利用に対する取り締まりを強化したことにより、この四半期で不正出品を118万件削除したことなどで取扱高は減少を強いられた。一方、7月からは東京都主税局とともに公売オークションをスタートしており、新しい取り組みとして多方面から注目を集めている。今後は同様のサービスを全国の自治体と展開したい意向だ。

 ADSLサービスのYahoo! BB事業では、情報漏えい事件の影響で獲得会員数は微増にとどまったほか、顧客獲得インセンティブの計上方法を変更したことなどにより、事業部としての売上高合計は横ばいとなった。ヤフー代表取締役社長の井上雅博氏は、Yahoo! BB事業の今後について「信頼が回復されれば、情報流出の前と同じくらいのペースで顧客を獲得できると期待している」と判断している。

 第2四半期は、セキュリティ対策やデータセンターの増床、ポイントシステム導入などによる販売管理費の増加を見込んでおり、売上高を250億〜270億円、純利益を79億5000万円〜88億5000万円と予想している。

 この第1四半期の決算発表を受けての22日のヤフーの株価は、全般がほぼ全面安の軟調な相場環境のなかにあって逆行高に展開した。後場寄りつき直後に一時前日比5万1000円高の97万1000円まで買い進まれ、終値は同3万3000円高の95万3000円となった。

 外国証券のアナリストは「発表された第1四半期決算の利益水準が事前の予想を上回ったことが好感されたようだ。さらに、4月高値の143万円からの下落率が40%に達していたこともあり、さすがに自律反発の買いも入っているようだ。NTTドコモなどと同様に、TOPIX(東証株価指数)の浮動株化に絡む思惑で過度に売り込まれた感もあり、また先月から先延ばしとなっているTOPIX新指数導入に向けた東証の検討結果の発表も今月内に迫っていることから、アク抜け感からもう少し株価の上昇が継続する可能性がありそうだ。ただ、信用買い残の重みなど売り圧迫要因もあり、上昇幅は限定的となりそうだ」としている。(超眼)

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