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ソニーの株価が下げ止まらない本当の理由

2003/04/15 10:00
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 日本を代表するハイテク企業であるソニーの株価が下落を続けており、いっこうに下げ止まる兆しがみられない。先週末の11日には、株価が一時3750円まで売り込まれ、同時テロ後の2001年10月3日につけた安値3960円を大きく下回った。このソニーの株価下落は、単に株式市場全般の軟調展開に連動したものなのか、それともほかに理由があるのか。

 確かに、全体相場も下落し続けている。日経平均株価は11日にはほぼ1カ月ぶりにバブル崩壊後の安値を更新し、20年ぶりの安値水準となった。このところ日経平均株価が下落を続けている背景としてまず指摘されているのが「厚生年金基金の代行部分の返上に伴う売り」だ。

 代表的な企業年金のひとつである厚生年金基金は、これまで国の年金制度である厚生年金保険の一部を代行して運用しきたが、その代行部分を国に返上する動きが加速している。株価の低迷などで各基金とも予定利回りの確保が困難となり、返上の動きが出ているわけだ。その際、原則現金で(厚生労働省は現物での返上も認めているものの、東証株価指数採用銘柄の90%を組み入れることが条件となっているため実際は売却して現金で返上するケースが大半)返さなければならないため、株で運用していた場合は売却の必要が生じ、株式市場にとっては大きな売り圧力になっている。

 この代行部分は2002年3月末現在で約30兆円あり、このうち国内株で運用されているのは約32%で9〜10兆円。そのうち最大で80%程度が売却・現金化されて返上される見通しとなっている。当然のことながら、厚生年金基金に組み入れられているのは日本を代表する“国際優良企業”が中心ということになる。したがってここ最近、株価の下落が著しいのはソニーをはじめとして、各業種の代表格とされてきたトヨタ自動車、松下電器産業、武田薬品工業、富士写真フイルム、イトーヨーカ堂といった企業だ。

 こうした代行返上の売りで日本を代表する優良企業の株価が下落することは、事前にある程度予想がついていたこともあり、「株価が下落しはじめると、投資家全体に先安懸念の心理が広がり、代行返上の売りが先を争う状況となる。さらに、こうした状況を敏感に察知した海外のヘッジファンドも空売りを仕掛けて一段の株価下落で利益を狙う行動に出るなど、売りが売りを呼ぶことになる」(準大手証券)と指摘している。

 しかし、国際優良株のすべてが極端に下落しているわけではない。例えばOA機器やデジカメの好調により3期連続で最高利益を更新しているキヤノンの11日の株価は4130円に止まっており、同時テロ後の安値3150円(2001年9月27日)に比べて1000円も上の水準にあり、先週の9日にはとうとう時価総額でソニーを追い抜くという現象も起きているのだ。

 外国証券のアナリストからは、ソニーの株価下落について「一般的に市場では代行返上売りが主要因とされているが、実際には中国でのビジネスの予想外の苦戦や、同社にとって収益の柱となってしまったゲーム関連事業の売上高が、今後米国個人消費の不振で大きく落ち込むということを織り込みはじめているのではないか。ソニーを株価面だけから判断すると、すでに成長株の時代は終わりを告げ、株価3000〜5000円のレンジで動く循環株に陥ってしまっているようだ」との声さえ聞かれる。

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