You Tubeハングルサービス開始--韓国UCC市場の刺激になるか

 2008年1月末、韓国政府の文化観光部主催により「第1回 大韓民国 動画UCC大賞」の授賞式が行われた。これは「Naver」「Daum」「Cyworld」「freechal」「Pandora.TV」「Mgoon」「Korea.com」といった7つのポータル/動画サイトと共催されたもので、2007年の1年間、ネチズンから多くの支持を受けた13編を選定する。

 賞では通常の大賞10編と、パロディー部門の3編が選定される。ユーザーは7サイトから寄せられた計26編のUCC動画から、インターネットや電話による投票でこれというものを選ぶ。

 受賞作の一部を紹介すると、12歳の少年が子ども離れした巧みな指さばきで、切ないメロディのギター演奏を聞かせてくれる「12歳の少年のアコースティックギター、きっと惚れるよ」、7000匹の蟻を白い紙の上で誘導して、女優の“キム・テヒ”の顔を描く「蟻たちが描いたキム・テヒ」など。受賞作はいずれも、感動、驚き、涙などの感情が豊かに表現された秀作ぞろいだった。

 またパロディー部門では、歌手のマイケル・ジャクソンが歌い踊る姿に、韓国演歌の「テンボル」を重ね、あたかもマイケル・ジャクソンが演歌を歌っているように見せた「テンボルを歌うマイケル・ジャクソン」などが受賞した。

 政府機関自らがUCC動画の授賞式を行うほど、韓国はUCC動画に対する思い入れが深い。それはUCCを、1つの産業として認めているからだろう。動画UCC大賞の次の日には「UCCフォーラム」が開催され、UCCの著作権や文化産業、ビジネスモデルなど、多様な分野にわたって真剣な討論が交わされてもいる。

 また文化観光部は、今後さらに高い技術と洗練された手法を伝授する教育プログラムを用意したり、大学の映像コンテンツ関連学科と業界とを結びつけるプロジェクトを進めるなど、UCC動画産業の支援を行い同産業のいっそうの発展をはかる予定だ。

 UCCが流行し始めた当時は、著作権への無関心ぶりや作品の完成度の低さ、収益モデルがないことなどの要因により、この先の市場を憂慮する声もあった。今もこの問題は解決したわけではないが、市場が大きくなるにつれ次第に質・量的にも充実し、認識も高まり始めているようだ。

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