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韓国版Windows Vistaをめぐる騒動を振り返る

2007/02/19 20:13
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 1月31日に韓国でも「Windows Vista」が発売され、当日には大々的な広報イベントが行われた。各PCメーカーでは1月下旬からVista搭載PCの予約販売を開始したほか、新聞やインターネットでも話題として取り上げられていたので、認知度は販売前からかなり高かった。

 しかし韓国におけるVista販売には、さまざまな障害があるのも確かだ。大きく「価格問題」「ActiveX問題」に分類される。

高い価格に抗議

 「Vistaの価格調整をお願いします!」。ネチズンがインターネット上で意見を述べ署名を集められる空間、ポータルサイト「Daum」内の掲示板「アゴラ」でこのような署名運動が展開された。

 アゴラで価格調整を叫んだネチズンたちによると、韓国版Vistaの価格は他国より高価なのだという。それは本当なのか、実際に韓国と米国のMicrosoftのサイトに掲載もしくはリンクされている価格を比べてみた。

 Windows Vista Ultimateのアップグレード版を例にとってみると、米国では最低価格が249米ドル(約2万9700円。1ドル=119.3円で換算)であるのに対し、韓国では「特別供給価格」として割引販売されているものが35万4000ウォン(約4万5000円。1ウォン=0.127円で換算)。確かに高価で、これはその他の製品でも同様だった。

 これに対して韓国マイクロソフトでは、各国でOS市場の構造が異なるので、単純に価格を比較するというのは無理がある、という立場をとっている。

 とくに小売店で販売される製品に関しては、韓国マイクロソフトが供給価格を米国と同水準の価格に設定しても、これがさまざまな仲介業者を介して流通するとともに価格が上乗せされていくという説明だ。

 しかしそんな隙間を狙い、手頃な価格の海賊版が出てくる。Vista販売とともに出回った海賊版はいまやインターネット上でも入手可能となっており、市販価格の高さと連動した問題となっている。

ActiveX多用の結果・・・

 韓国政府の情報通信部はVista販売前の23日、「Vista購入前はよく確認を」と文書による呼びかけを行った。

 セキュリティが強化されたVistaでは、ActiveXを採用したウェブサイトを表示する際、不具合が生じる可能性が大変高いからだ。困ったことに韓国にはActiveXを多用しているウェブサイトが大変多い。とくにインターネットバンキングなどの金融系や、ウェブサイト上での身分証明書発行など電子政府関連のWebサイトはその傾向が顕著で、ActiveXをインストールしなければ取り引きがままならない、ということも結構あるのだ。

 情報通信部は韓国マイクロソフトおよび韓国情報保護振興院金融保安研究院韓国情報社会振興院、ソリューション企業などと共同で、分野別にVista用のソースコード修正作業に追われた。このほかポータルサイトやショッピングモールなど、その他のウェブサイトでも同様だ。

 情報通信部では4月末までには政府の電算システムに対する処置を完了すると発表している。同時にウェブサイトには「Window Vista 使用案内」を掲示するなどして広報活動にも努める予定だという。

マイクロソフト一極集中

 こうした騒動から見えてくる大きな問題は、マイクロソフト一極集中だ。たとえば韓国のウェブサイトを表示する際、その大部分はInternet Explorerにしか対応していない。まず政府のウェブサイト自体がそうであり、もし他のブラウザを利用すれば会員登録などの手続きに支障が出ることもある。そのためユーザーは、他社のブラウザを使いたくともIEを使うより他ないのである。

 OSやブラウザ、そしてそれに関する技術までマイクロソフト製で固めてしまった結果このようなことが起きてしまった。別の側面から見れば、韓国はマイクロソフトが市場を独占しやすい所なのだ。そうした状態が目立ちすぎたあまりか、Windows OSへWindows Media Playerなどをバンドルする行為に対して韓国公正取引委員会から制裁を受けるなど、過去にマイクロソフトはさまざまな規制も受けている。しかしそれでも韓国ではやはりマイクロソフトへの依存度が大変高いという堂々巡りの状態だ。

 Vistaへの技術的対応はいずれ解決することではある。技術対応と同じくらい大事なことはむしろ、政府がマイクロソフト以外の選択肢も十分あることに目を向けることではないだろうか。

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