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ネットを制する者、大統領選挙を制す

佐々木 朋美 2007/01/29 14:40

 2002年に行われた第16代韓国大統領選挙において、ノ・ムヒョン現大統領が当選した最大の理由はインターネットである、というのは有名な話だ。

 当時、ノ大統領の応援サイト「ノサモ(韓国語で"ノ・ムヒョン氏を愛する人の集まり"の略)」は、インターネットで活発な応援活動を行っていた。これに若者を中心としたネチズンが呼応して、支持者を拡大していったのだ。

 今でも語り草となる2002年の選挙から時が経ち、ノ大統領の任期は終わりを告げようとしている。これと同時に2007年12月に行われる次期の大統領選挙が既に話題となり始めた。

 今回の大統領選挙では「ノサモ」の教訓を活かして、インターネット上での活動はけっして無視できないものと言われている。中でも「ユーザー作成コンテンツ(User Created Contents:UCC)」は2002年当時にはなかった手法ではあるが、時代が変わった今、注目度や重要性を大きく増しているものだ。

 (韓国でいう)UCCは、ユーザーが直接撮影・編集を行った写真や動画を指す。これを候補者のイメージ作りなどにうまく活用すれば、ネチズンからの支持を得られる可能性がある。

 UCCへの関心の高まりとともに、動画ポータルの「パンドラTV」運営する同名の会社と、同じく動画ポータルの「dc inside」を運営するデジタルインサイドは「UCCを活用した大統領選挙戦略説明会」を開催した。

 大統領選挙におけるUCCの上手な活用法を伝授するこの説明会には、第17代大統領選挙の立候補者であるソン・ハクキュ前京畿道知事と、最近大統領選挙に出馬意思を表明したホ・キョンヨン前民主共和党総裁(現「パク・ジョンヒ思想研究所」理事長)も出席。大統領選挙とUCCについて語り合ったのだが、2人のUCCに対する見方が相反していたのは興味深いところである。

 ソン氏は「世の中は大きく変わっている。国民1人1人が主人公となる真の直接民主主義が(インターネットにより)実現しており、このような状況において政治家としてはより慎重にならざるを得ない」と、UCCの力を認める発言をした。

 一方ホ氏は、興味本位もしくは権力に支配された偏ったUCCに対し、警戒心をあらわにし、UCCが世論を扇動するのをくい止めなければならないと強調した。

 彼は「正しい候補者選びが重要なのであり、インターネット上での広報活動が重要なのではない」とし「インターネットに惑わされず、正しい候補者を選択できる目を持たなければ」と強調した。

 さらに「ノサモ」を指し「結局はネチズンが国をこんなありさまにしてしまった」とも指摘している。

 しかしこうした意見に反するようにUCCに対する、社会的な期待度や注目度は高い。就職サイトの「キャリア」は、2007年の注目アルバイトの1つとして、大統領選挙に使うUCC制作や管理を挙げている。また既に出回り始めている大統領選挙候補者のUCCもある。たとえば紅一点の候補者パク・クンヘ氏がピアノを弾く動画などは大統領選挙のために作られたものではないが、支持者サイトなどを通じて急速に広まっており、既に支持者間ではUCC競争が始まっているといえる。

 ちなみに米国では2006年8月に行われた中間選挙において、バージニア州の共和党候補者が人種差別的な発言を行い、これが「You Tube」を介して一気に拡大。同候補のイメージは下がり、結局この選挙に敗北するという事件があった。

 ホ氏が述べるように確かに候補者を見る目は大切だ。しかしその判断材料にインターネットが頻繁に活用される今、やはりインターネットの力は無視できないものとなっているようだ。

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