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Web 2.0の挑戦者:ブラウザで編集できるオンライン写真エディタPXN8 - (page 2)

文:Emily Chang 翻訳校正:吉井美有 2006/08/18 08:00

半年後、あるいは2年後に、PXN8はどうなっていると思いますか。

これは面白い質問ですね。わたしはSVGとCanvas(SafariとFirefox)がどうなるかに注目しています(編集部注:CanvasはSafariとMozillaで使用できるベクトル描画用特殊タグで、JavaScriptを用いて描画する)。もしSVGかCanvas(java2d)、あるいはその両方が3つの主要なブラウザに取り入れられれば、レイヤ、チャンネル、アルファマスクなどの機能を持った、完全に新しいオンライン画像エディタを作ることが可能になります。今は新しい機能を追加するよりも、今ある機能の使い勝手をよくすることに取り組んでいます。また、PXN8をカスタマイズしやすいようにしたいとも考えています(詳しくはビジネスモデルの項を参照してください)。

プロジェクトを成功させるのに最も難しいことは何ですか。

今直面している最も大きな問題は、PXN8の存在を広めることです。今は資金が小規模です。ハードウェアとホスティングの費用を賄えるだけで、広告やマーケティングに回す資金がないのです。大企業は製品の普及に大きなお金をかけることができます。MicrosoftやGoogleが新しいWebサービスやWebアプリケーションを開始する際には、最初の日から大きな注目を集めることができるでしょう。小規模独立系ソフトウェアベンダーはそういうぜいたくはできませんから、製品を知ってもらうのに創意工夫が必要です。

PXN8を次の段階に進めるためには何が必要ですか。

時間とお金ですね。製品を微調整するには時間が必要で、プロモーションにはお金が必要です。どちらも不足しています。理想的なことを言えば、使い勝手についての調査をして、利用者がPXN8をどう使うかを調べ、問題点の修正をしたいですね。

PXN8の基盤となるビジネスモデルがあるとすれば何ですか。

Sxoop Technologiesは、他のWeb2.0企業とは違ってPXN8を有料のアプリケーションとして運営しているわけではありません。商用WebサイトでPXN8を利用する顧客に対してライセンスを提供しています。潜在顧客は、オンラインデジタルプリントサービスや写真共有ポータルサイト、あるいはその他豊富な写真編集機能を必要とするWebサイト全般です。PXN8はHTML、CSS、JavaScriptで書かれていますから、Web開発経験者ならだれでもユーザーインターフェースをその企業の方針にあったものにカスタマイズすることができます。

差し支えなければ1日の平均アクセス数を教えてください。

一日につき平均1000ページビューです。

PXN8について最も優れていると自認する点は何ですか。

自分の優先順位から言えば、使い勝手と性能です。使い勝手の良い写真エディタをWebブラウザの制約の中で作るのは、面白い課題だと思います。これは、一般的なWeb2.0(ソーシャルブックマークやWebメールなど)のような簡単な仕事ではありません。わたしはPXN8がFlickrに統合されたこと、PXN8を使ってくれる人たちがいることを誇りに思っています。

Webで現在起こっているシフトを若い人たちに向けてどのように説明しますか。

Garrett氏のAjaxに関する論文が、間違いなくわたしのような人々の触媒になったと思います。Web2.0は大げさに騒がれすぎかと聞かれると、そうは思いません。

おそらく、Webプログラミングに慣れつつある小規模ソフトウェア企業で、そのような企業にとってWebはこれまでで最高の販売メカニズムだということに気づいた、うちのような小規模独立系ソフトウェアベンダーが何百とあるでしょう。もちろん、それらの企業がニュースの大見出しに乗ることはありませんし、すべてが大企業に買収されるわけでもありませんが、その過程でいくつかの面白い成果が出てくるでしょう。現在はWebのユーザーインターフェースの設計がデスクトップのユーザーインターフェースの設計を上回り始めているところだと考えています。将来、デスクトップのアプリケーションの設計はWebのユーザーインターフェースの設計に基づくようになるでしょう。役割が逆転しつつあります。

ご自身のサイト以外に毎日どのようなサイトにアクセスしていますか。

Bloggings、Flickr、del.icio.us、TechCrunch、それから多くのCSS関係のブログ(Dave Shea氏、Zeldman氏、alistapart、Dan Cederholm氏など)です。わたしはFlickrが大好きです。Flickrのユーザーインターフェースを見ていると「人が住んでいる」ことを感じさせます。Flickrはユーザーインターフェースについて本当に腐心している(ただ、やり過ぎてはいない)ことがわかります。Flickerのユーザーインターフェースは、確かに利用者に合わせて育ってきています。FlickrのバックエンドAPIもかなり良いもので、その認証メカニズムはシンプルで美しいものです。そう言えるAPIは多くはありません。

睡眠時間はどのくらいですか。

最近まで5時間しか寝ていませんでしたが、(医師の指導を受けて)今は気をつけて8時間寝るようになりました。

メールでのインタビューに応じてくれたPXN8のクリエイターWalter Higgins氏に謝意を表する。

eHubについて

Emily Chang氏が日頃使ったり魅力を感じたり注目したりしているウェブアプリケーション、サービス、リソース、ブログ、サイトをまとめた個人的なリストがeHubである。Chang氏はネットワークに毎日アクセスし、ネットサーフィンや検索、電子メール、RSSリーダー、SMSなどで何かを見つけたときに、随時リストを更新している。Chang氏が特に関心を寄せているのは、次世代ウェブ(ウェブ 2.0)、Ruby on Rails、Ajax、ブログ、ロケーションマッピング、オープンソース、フォークソノミー、タギング、デザイン、デジタルメディアの共有だという。そのため、eHubにはそういう視点が反映されている。

eHubが当初の意図を超えて成長するきっかけとなったのは、Chang氏とMax Kiesler氏によるウェブ 2.0アプリケーションサービスの開発者へのインタビューeHub Interviewsチャネルが追加されたことだ。Chang氏とKiesler氏は、サンフランシスコにあるウェブデザインコンサルタント会社Ideacodesの共同創始者兼代表者である。CNET Japanでは、eHubを運営するEmily Chang氏の了解の下、eHub Interviewsを翻訳していく。

筆者Emily Chang氏について

Emily Chang氏は、数々の賞を受賞したウェブインタラクションデザイナー、技術戦略家で、Max Kiesler氏と共同で設立したサンフランシスコのウェブコンサルタント企業Ideacodesの代表者である。ウェブとユーザーエクスペリエンスに関するデザインや技術、次世代ウェブについてのサイトEmilyChang.comの筆者であり、人気のウェブ 2.0リソースであるeHubの作成者でもある。同氏によればeHubとは、日頃使って魅力を感じたり、注目したりしているウェブアプリケーション、サービス、リソース、ブログ、サイトをまとめた個人的なリストなのだという。

※ この記事はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(帰属2.5)の下でライセンスされています。
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