CJICレポート2:グーグルの進化を追う--Google Earthには来場者から歓声が

 6月20日に開催されたシーネットネットワークスジャパン主催のイベント「CNET Japan Innovation Conference 2005 Summer」で特別講演したのは、米Googleのプロダクトマネジメントディレクターであるサラー・カマンガー氏だ。同氏は、Google創業当初からの社員である。「How Google thinks?(Googleの考え方)」と題された特別講演は三部構成で、まず創業当時から現在まで続いている同社の精神や文化について説明した後、アドワーズなどの広告関連サービスを取り上げた。そして最後には、消費者向けサービスについてデモを交えて説明した。

ユーザー体験の向上を目指したサービスの改良

 カマンガー氏の講演は、Google創業当初の写真から始まった。同氏がGoogleに入社した当時、社員はまだ8人だったというが、わずか6年後の現在は社員が3000人以上となり、全世界に20カ所以上の拠点を持つ企業へと成長した。カマンガー氏はGoogleの現状について、「社内で使われる言語が100以上、1カ月に消費する鶏肉が1トン、コーヒー豆が725kg、パスタが226kg」と表現した。

創業当初のGoogleの様子

 カマンガー氏は、Googleがこれだけの急成長を遂げても「検索と検索連動型広告におけるユーザー体験の向上に焦点を絞っていることは今でも変わらない」と付け加えた。その結果生まれた機能の実例として「同じニュースを違う角度から見てみたい」という要望に応えた「Google News」や、「パソコン上のファイルが見つからない」という悩みに応じた「Google Desktop」、「特定の製品やサービスの公式サイトを直接呼び出したい」という要望に応えたGoogle Toolbarの一機能「Browse by Name」といったサービスを紹介した。

アドワーズの方向性とアクセス解析ツールの提供

 次にカマンガー氏が取り上げたのは、Googleの広告関連サービスについてだ。同社は現在、広告クライアントに向けた「アドワーズ」と、サイトオーナー向けた「AdSense」を提供しているが、アドワーズの今後の方向性について同氏は、「広告の出稿方法に自由度を与え、特定のサイトに狙いを定めて広告が出せるようになる。さらに、テキストだけでなく画像を含めた広告が掲載可能になる」と述べた。また、「専門的知識がなくても、より簡単に狙い通りの広告が出せるよう、サービスの改良を行う」としたほか、今後は広告代理店との関係も深めていくとした。

Googleのサービスを紹介するカマンガー氏

 また、AdSenseについても、「検索キーワードに最もふさわしいコンテンツを探し出し、そこに広告が表示されるよう、広告マッチング機能の改良を今後も続ける」とした。

 さらにカマンガー氏は、同社が3月に買収した米Urchin Softwareについて説明した。同社の提供するウェブアクセス解析ソフトウェアは、広告を効率的に掲載するためのツールとして使われる。

 Urchinの提供するサービスは、ユーザーがどのサイトから自分のサイトにたどり着いたのか、またその後どこへ移動したかを分析できる。カマンガー氏は、同サービスが「より広告効果の高いウェブデザインを実現するだけでなく、ウェブの閲覧体験の向上にも役立つ。最終的にはインターネットそのものがもっと使いやすくなるだろう」と語った。

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