CJICレポート1:goo、アスク、ヤフーが模索する次世代検索の姿 - (page 2)

ネット黎明期から手付かずの検索ナビゲーション

 各社のプレゼンテーションを受けて、モデレーターの橋本氏から今後の開発の方向性について2つの質問が提示された。その1つは、検索ナビゲーションが今後どう進化していくかについてだ。

 これに対しアスク ジーブスの樋口氏は、「ユーザーが最終的にどのような検索結果を求めているのかを、最初に入力した一般的なキーワードから予測できるような仕組みを提供したい」との方向性が示された。また、ユーザーの欲しい情報をできるだけダイレクトに表示させるため、「検索ワードに関連する言葉を表示し、絞り込み検索を実現する」とも述べた。

 一方NTTレゾナントの国枝氏は、「フロントのエンジンとしてはGoogleを使いながらも、検索結果のナビゲーションを独自で開発している」と述べた。特に画像の3D表示など、ビジュアル情報の見せ方を研究しており、「現在3D表示は中古車情報に実装されている」として実際の画面を表示、成果を披露した。

 そしてヤフーの井上氏は、「ネットの黎明期から検索結果の表示方法は変わらず、簡単に思い通りの結果が表示されることはない」と強調した。こうした問題を解決するため、「ユーザー専用のサイトを自動生成するようなサービスの提供も視野に入れたい」と述べた。

より専門的に、よりパーソナルに

 橋本氏から提示されたもう1つの質問は、時と場合に応じた検索とパーソナルサーチの可能性についてだ。

 これに対し、アスク ジーブスの樋口氏は「ユーザーが求めている情報が、一般的な情報なのか、一部のコアなコンシューマーから導き出されるニッチな情報なのかを判別していきたい」と述べ、求められる情報の中身に注目していくとした。また、「従来のウェブよりも深い情報を提供するDeep Web & Invisible Webの開発を進め、情報保管庫として機能していきたい」と今後の展望も提示した。

 NTTレゾナントの国枝氏は、「ユーザーには専門検索を使いこなしてもらう必要がある」としているが、「専門検索を補完するために、自然文検索にも力を入れている。また、各ユーザーの過去の閲覧履歴を基に、個別のサマリーを提示することも検討している」と述べた。さらに「ジャンル別検索では、最新キーワードの提示や目的に応じて違った結果を返す実験も行っている」と追加した。

 ヤフーの井上氏は、「ウェブ検索で、思った通りの結果が出ないこともある。その場合は、知識の共有で結果を導くシェアードサーチが役に立つ。また、検索には自分が過去に何を検索したのか、いかにして結果にたどり着いたのかといった情報をベースとして、パーソナルサーチも可能だ。シェアードサーチとパーソナルサーチの方向性は違うが、いずれにせよ人を中心としたコミュニケーションを促進する検索を提案していきたい」と述べた。

 井上氏は最後に、世界中のYahoo!サイトで採用される検索に特化したシンプルな検索ページ「Yahoo! SEARCH(ベータ版)」について述べ、「ウェブ検索や画像検索、音声検索などの各検索機能が1つのサービスに集約された」と紹介した。

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