CJICレポート1:goo、アスク、ヤフーが模索する次世代検索の姿

 ネット上のエマージングビジネスとされる検索やブログ、RSSの最新動向を探るイベント「CNET Japan Innovation Conference 2005 Summer」が6月20日、青山ダイヤモンドホールにて開催された。定員500名の会場は終日ほぼ満席状態で、一部の講演では積極的に出席者からの質問が飛び交っていた。ここでは、当日の講演内容をイベントレポートとして順次紹介していく。レポートの第1回目は、「ユーザーが求めるサービスを探る--サーチの未来」と題したパネルディスカッションAを取り上げたい。

キーワードは「Search2.0」

モデレーターの橋本大也氏

 このパネルディスカッションでは、モデレーターであるデータセクション 代表取締役CEOの橋本大也氏が提案した「Search2.0」というキーワードを基に、アスク ジーブス ジャパン 取締役 COOの樋口将嘉氏、NTTレゾナントポータル事業本部メディア事業部検索担当部長の国枝学氏、ヤフー リスティング事業部 検索企画室室長の井上俊一氏の3名が議論した。

 橋本氏は、過去に検索エンジンの開発に係わった経験を持つ人物だ。同氏が提示した「Search2.0」というキーワードは、「次世代ウェブのあり方とされる“Web2.0”が話題になる中、Web2.0が模索されるのであれば、当然“Search2.0”も模索されるべきではないだろうか」という考えから示されたものである。

 そのSearch2.0に向けて、各社では現在どのようなサービスを進めているのだろうか。まず、アスク ジーブスの樋口氏は、欲しい情報をすぐに探し出せる「一発検索」と、検索エンジン「Teoma」をベースとしたロボット検索の特徴をアピールした。Teomaでは、キーワードを瞬時にクラスタ分類し、分類された中で各ページの「オーソリティ(権威)」度を個別に分析する。樋口氏は、「ユーザーがなぜ検索するのかに注目し、結論に導くソリューションプラットフォームを提案していきたい」と述べた。

 次にNTTレゾナントの国枝氏は、同社の提供するポータルサイトgooの検索サービスにおいて、日本語そのものが持つ特質に注目し、日本語独特の表記によるゆれを吸収する「漢字、かな、カナ、送り仮名」の自動補正機能の提供や、推薦ワード、関連ワードの提示も行っているとした。また、「複数の検索サービスを組み合わせることで、日本人の行動支援メディアとなっていきたい」と述べた。

パネラーの3名。左からアスク ジーブス 樋口氏、NTTレゾナント 国枝氏、ヤフー 井上氏

 そしてヤフーの井上氏は、検索クエリーが多様化している点を指摘し、「単に結果を導き出すだけではなく、個人の知識や知恵を共有する段階に進んでいきたい」と述べた。また、検索はユーザー個々人の興味が出発点となっており、検索がマイメディアのキーになるとの考えから、「ヤフーとしては、生活のあらゆるシーンに貢献する“ライフエンジン”を提唱していく」と述べた。

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