Alexaランキングに敏感な中国インターネット業界

 中国のポータルサイトというと、中国でインターネットが普及してからずっと第1に新浪(Sina)があり、続いて捜狐(Sohu)、網易(NetEase)という認識が定着している。ところが2007年8月中旬よりAlexaにおいて2週間以上捜狐が新浪を上回ったことから、捜狐が新浪越えをし、中国のポータルサイトの頂点に立ったと捜狐自身が大きく宣伝した。中国インターネット史初の快挙に大きな話題を呼んだ。

 Alexaは、サイト評価のための算出方法をたびたび変更する。捜狐の新浪越えの話題がさめやらぬ8月31日にもまたAlexaは算出方法を変更した。その結果、約3割の中国のサイトがランキングを下げたか、ランキング圏外となり、新浪も捜狐もまたランキングを下げた。捜狐の下がり方が新浪以上であったため、捜狐は新浪にトップの座を明け渡す結果となった。再度のトップの入れ替わり以上に話題になったのが、尋常でないランクの下降を記録した捜狐だ。くしくも直前までAlexaでの中国トップ記録の報告を広告スペースで大々的にアピールしていただけに「Alexaで数字が上がるように細工やインチキをしていたのではないか」という疑惑がにわかに沸き起こった。

 これを受け9月4日に、捜狐のCEOである張朝陽氏は中国各メディアの記者を集め「Alexaに関する疑惑だが、弊社によるインチキは天に誓って、毛沢東主席に誓ってあり得ない」とコメント。一旦は下火になった捜狐によるAlexa疑惑は、毛沢東を引き合いに出してしまったことにより「毛沢東は関係ないだろう」という論調を中心に再び中国メディアで疑惑の記事が多数掲載された。火消しのためのコメントが、再燃してしまった。

 ところでAlexaにランクインする約3割の中国のサイトがランキングを下げたことにも注目したい。中国にはPVを上げたり、Alexaでのランキングを上げるための業者が存在する。2006年のニュースになるが、中国のメディア人民網はその業者に客として接触し、詳しく話を聞いた記事を掲載している。その記事によると、業者は毎月2000元(約3万円)支払うことで、3カ月以内に希望のサイトを10000位以内にランクインさせるという。業者いわく「著名な2サイトが私のサービスを利用している」とし、また「誰でもこの種のサービスを利用しているよ」とも語る。

 中国では、ポータルサイトのランキングに大きな変動があると、そのことがニュースとしても取り扱われるほど、Alexaのランキングが注目されている。こういったランキング上げのための業者がいる背景にはこうした背景がありそうだ。

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