ネットゲーム依存症対策システムが稼動--周囲の反応は?

 7月16日より、ネットゲーム依存症対策システム(網絡遊戯防沈迷系統)が入ったタイトル11件がゲーム運営会社7社から出された。

 中国政府機関の新聞出版総署の「網絡遊戯防沈迷系統開発標準」は、未成年のオンラインゲームのプレイ時間について3時間以内を「健康」的と判定し、また3時間以上5時間未満では「疲労」レベル、5時間以上だと「不健康」であると判断する基準を設けている。またプレイ時間が「疲労」レベルとなったとき、ユーザーはオンラインゲームで獲得したポイントや仮想通貨が減らされて半分となり、「不健康」となったときオンラインゲームで獲得したものは無しになってしまう。これは、中国で最も人気の「World of Warcraft」などにも導入される。

 このシステムの開始には、ゲームベンダー、消費者など様々な立場の人により賛否両論の意見が挙がっている。

 中国のお隣ベトナムのオンラインゲームにおいても、既に同様のシステムによるオンラインゲーム運営が行われている。中国と同じ文化圏にあるためか、中国産の中国中世世界が舞台の武侠モノMMORPGと呼ばれるジャンルがベトナムでは人気だ。だがベトナムにおけるこのシステムの稼動後は「売り上げにかなり影響があった」と各中国オンラインゲームメーカーの担当者は口を揃えていい、また「ベトナムの二の舞とならなければいいが」と中国のシステム稼動に対し不安のコメントをしている。

 その一方でゲームメーカーの関係者による「統計上、中国においてオンラインゲームを遊んでいるのは20〜35歳の層が多く、未成年の利用は少ない。したがって、運営会社、開発会社に大きな負の影響はないだろう」という意見も出ている。

 ある中国メディアがとった調査では、調査対象の半数以上が、多くのMMORPGにおいて「このシステム導入により悪影響が起きる」と予想している。しかし政府によるシステムの導入があれば、庶民にも対策があるようだ。ある中国メディアが「このシステムについてどう思うか?」という質問を利用者へ投げかけたところ、ある未成年の利用者は「3時間以上でだめなら、その前に一度止めてまた再度遊べばいい」と答え、さらに「親の身分証明書で登録すれば問題ない」と対策を語る。

 あるインターネットリサーチの専門家は「長い時間遊べなくなることから、リアルマネートレードが活発化するのでは」と予想している。また「長く遊ぶMMORPGの人気が下落傾向になるのでは」とも予想している。

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