エプソン中国、業務効率化をにらみ部門再編

 2007年4月、9年目を迎えたエプソンの中国現地法人は組織改変をディーラーに向けて公表した。発表によれば、同社は「商用」と「通用」の2部門体制より「商用事業部」「インクジェットとスキャナ事業部」「大型印刷機事業部」「プロジェクタ事業部」「マイクロデバイス事業部」の5部門体制になるという。一部の中国メディアは今回の同社の部門再編を比較的大きく紹介している。

 今回の改変の狙いは業務効率化、責任分担の明確化であり、また全社的なビジネス毎のユニット化を目指し行われた。エプソン中国の副総経理の林中庸氏は、CNET中国グループの睿商在線の記者に対し「今までは営業担当は多くの製品の販売を兼ねており、そのため仕事への圧力が大きく、営業スタッフはしばしばより顧客にあった製品、弊社がプッシュしている製品を忘れていることもあった。今までは営業スタッフがシステムインテグレーションの提案を充分にできるとはいえず、営業スタッフが持ち合わせている知識は浅く広いものでしかなかった」と2部門体制の問題を語った。これを部門再編をすることで「多くの営業スタッフが担当の製品群に対し深い知識を持ち合わせるようになっている」と過去の問題が改善されていると語る。

 部門再編でシステムインテグレーションだけではなく、コンシューマー向け製品でも改善を目指す。インクジェットとスキャナ事業部の経理である徐炎氏はこう語る。「以前はインクジェットプリンタについて、ローエンドモデルはホームユースであると認識していた。しかし調査をしてみてわかったのは、家庭で印刷したいという要求は少なく、実は大部分のローエンドプリンタは中小企業で使われているということだ。だからこそ、専門のスタッフが重点的に企業に売り込むべく、インクジェットプリンタとスキャナについても事業部化した」

 中国のリサーチ会社の易観国際(Analysys International)によると、2007年第1四半期の中国におけるプリンタ出荷台数全体におけるメーカー別シェアでは1位よりHP(32.2%)、エプソン(21.0%)、キヤノン(14.1%)、レノボ(10.3%)と、エプソンは中国においては第2のメーカーとなっている。また中国のIT系ポータルサイトの中関村在線が5月に実施した「好きなプリンタメーカーは?」という読者アンケートでは、1位よりHP(39.6%)、エプソン(29.2%)、キヤノン(17.3%)、レノボ(4.9%)となっており、こちらもHPに続く結果となった。

 今回の部門再編により、エプソンは中国プリンタ市場において、出荷数においても中国人の評価においてもHPに迫り、越えることができるか。

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