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「お祈りパンダ」ウイルス、中国で猛威をふるう

山谷剛史 2007/02/08 08:00

 熊猫焼香(日本語でお祈りパンダ)と呼ばれるウイルスが2006年1月から中国国内だけで猛威をふるっている。感染するとアイコンのほとんどがパンダが焼香する絵に変わるためそう呼ばれる。表示されるパンダの絵はかわいいが、今や多くの感染したPCユーザーがパンダを嫌っていると中国メディアは報じている。

 このウイルスはWorm.Nimaya、Worm.WhBoy.hなど亜種が多数存在するが、いずれも感染するとパンダの焼香の絵にアイコンが変わってしまう。またいずれもバックドア型ウイルスであることも共通している。最近最も話題となっているWorm.WhBoy.hは、多くのフォルダを外部と共有し、セキュリティレベルを下げ、ハードディスクやリムーバブルディスクなどに自身をコピーし、インストールしたプログラムを利用できないようにし、システムを破壊するという。

 セキュリティメーカー大手の金山軟件(キングソフト)によると、亜種は現在までに50種以上が出現し、感染したPCは既に数百万台規模で、その多くが北京、上海、広州などの大都市に集中しているという。

 同じくセキュリティメーカー大手の江民科技はここまで被害が拡大した原因に、1番目に中国企業は中国外ベンダーのセキュリティソフトを利用しているため、中国だけで猛威を奮うウイルスに対しての反応が遅く、2番目に著名なサイトがこのウイルスに感染したため急速に拡大し、3番目に亜種が大量に出現したため、と3つの理由を挙げる。

 上記の江民科技のコメントにはないが、中国国内だけでこのウイルスが感染している原因に、中国の国民的チャットソフト「QQ」のセキュリティホールをついて感染するというウイルスの性質が原因にあろう。QQはコンシューマー向けのポップなデザインだが、ビジネスシーンにおいても名刺にQQのIDが書かれるほど使われており、それがゆえに企業でも大量に感染したのではないだろうか。したがって日本のPC利用者でQQを常時使うような人は少ないかと思うので、まず自身のPCへの感染を恐れることはないだろう。

 感染にあった中国のヘビーユーザーは犯人探しに躍起だ。そんな中、自らをウイルスの作者と称する男性が顔写真つきで「行きたい企業に就職できなかったから、腹いせにウイルスを作ってばらまいた。感染した皆様すみませんでした」というメッセージがある掲示板に書かれ、僅か1時間半のうちに4000ヒットを記録、同情の内容や、罵る内容など数百ものメッセージが書き込まれた。中国メディアはその男性の掲示板での書き込みに矛盾があることを指摘し「騒ぎに便乗した人による客寄せ目的の虚偽の書き込み」と解説している。

 現在も毎日のようにお祈りパンダウイルスに関するトピックはメディアで報じられているが、犯人は未だ見つかっていない。中国のウイルス作者の処分に関する法律「計算机信息系統安全保護条例(コンピュータシステム安全保護条例)」の23条では、ウイルス作者は個人ならば5000元以下、企業ならば15000元以下の罰金が定められている。

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