CNET Japan Live 2014 Winter

スモールスタートで地道に継続--CMOアワード受賞者のマーケティングアプローチ

齋藤公二 (インサイト)2014年12月27日 09時30分

 CNET Japan Live 2014 Winterで、ライオン、KDDIウェブコミュニケーションズ、DeNAの3社が第2回CNET Japan CMO Awardを受賞した。授賞式後のパネルディスカッションでは、3社の担当者が自社の取り組みを紹介した。

 登壇したのは、ライオン宣伝部デジタルコミュニケーション推進室の中村大亮氏、ディー・エヌ・エー(DeNA)執行役員マーケティング本部本部長の彌野泰弘氏、KDDI ウェブコミュニケーションズの取締役副社長の高畑哲平氏の3人。また、選考にあたった翔泳社運営「MarkeZine(マーケジン)」編集長の押久保剛氏、インプレス運営「Web担当者Forum」編集長の安田英久氏も加わった。司会は、CNET Japan編集長の別井貴志が務めた。


パネルディスカッションは授賞式後に開かれた

 最初に取り組みを紹介したのは、ライオンの中村氏。同社では、新生活情報メディア「Lidea(リディア)」を10月に立ち上げ、毎日のくらしに役立つ情報と生活に関するエンターテインメントコンテンツを発信している。また、それを支える基盤としてDMP(Data Management Platform)を構築し、社内に散財していたデータを統合的に活用する取り組みを進めている。

 デジタルマーケティングの具体例としては、10~11月に実施した同社の洗剤「アクロン」と大丸松坂屋キャンペーンサイトとのコラボレーション企画を紹介した。「おうちでニットを洗っちゃおう!」をコンセプトに、洗い方を教えるコンテンツをウェブサイト上で展開。ニット商品を扱うショップ店員向けに洗濯のポイントを教える講習会を実施し、講習を受けた店員が顧客にそのポイントを教えた。これにより、アクロンを使ってニットを洗濯するという新しい市場を開拓するとともに、大丸松坂屋にとっては接客の向上につなげた。

 「2つの取り組みに共通するのはユーザーファーストで取り組んだこと。現在は、リディアとDMPを中心に、今まで点としてバラバラに存在していたものをつなげていこうとしている。オウンドメディア戦略、広告施策、ソーシャルメディア施策、パートナー連携という4つの軸でデジタルマーケティングを推進しているが、ユーザーや時代の変化に合わせて、対応していけるような構想を描いている」(中村氏)。

◇Lideaとは
ライオンが新“生活情報メディア”--DMPでデータ集約、ネイティブアドも導入


ライオン宣伝部デジタルコミュニケーション推進室の中村大亮氏

 押久保氏や安田氏からは、組織体制や投資の規模、取り組みを進める際のポンイト、パートナー選定での検討事項などについて質問が飛んだ。

 中村氏によると、デジタルマーケティングを推進する部署は7人体制。もともと巨大な組織というわけでもなく、部署の垣根もなかったため、部署を超えた“ボーダレス”な取り組みができたという。「マーケティング部門にもデータを渡すので一緒に考えましょうよと声をかけ、自分たちがやりたいことを全社に広げていった結果、メディアやDMPの構築に行き着いた」とのこと。投資額は「デジタル投資市場で過去最大」(同氏)規模となったが、全体の7割は自分たちで構築し、手が余るところだけをパートナーとつくりあげた。パートナーの選定では、技術や得意分野というよりは「最終的には人にフォーカスし、チームビルディングしていった」と説明した。

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