モバイルアプリ開発を本業にしたい人に贈る5のアドバイス

Tim Mackenzie (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2013年02月05日 07時30分

 アプリ開発ビジネスを始めるためにフルタイムの仕事を辞めようと考えている人のために、事前に行っておくべき具体的な検討についてアドバイスする。

 モバイル機器向けの「Android」アプリや「iOS」アプリの開発ビジネスを自ら運営するという魅力に引き寄せられ、一部の開発者らは会社の仕事を辞めるという決断を下している。また、そうしたいという気持ちに傾いている開発者も数多くいる。しかし、一従業員から会社の経営者にくら替えするというのは、辞表を2週間前に提出し、気の利いた社名を考え出すだけで済む話ではない。ビジネスを軌道に乗せるには多大な労力が必要となるのである。しかし、それはやり甲斐のあることでもある。

 会社を起業すればあっという間に、半分の労力で倍の収入が得られるようになると考えていると、驚く結果になる。一部の人たちは幸運に恵まれ、そういった状況に身を置けるが、すべてを運任せにするのは失望を自ら呼び込むようなものだ。そうではなく、どういったことが待ち受けているのかをしっかりと押さえ、モバイルアプリ企業の運営方法を理解したうえで、起業家の世界に足を踏み入れるための計画を練っておくべきなのだ。

#1:参入障壁の低さ

 Androidアプリ開発業への参入障壁は低い。自らが開発したAndroidアプリを「Google Play」から配備できるようにするには、開発者登録手数料としてたった25ドルを支払うだけで済む。これ以外に必要なものは、アプリ開発用のコンピュータ(ほとんどのコンピュータが使用できる)と、アプリテスト用のエミュレータ(これを使えば、テスト用のデバイスを購入する必要さえない)である。

 iOSアプリ開発業の場合、もう少しコストがかかるものの、Appleの「OS X」搭載コンピュータと、同社製の携帯電話やタブレットを既に所有しているのであれば、年会費として99ドルを支払う必要があるだけだ。

#2:果たすべき新たな役割

 個人事業を営むことで、自らの時間をより柔軟に使えるようになるものの、ただの従業員だった頃には縁のなかった多くの責任を負うようになる。例えば、筆者は会社勤めをしていた頃にはエンジニアとして数多くの役割(要件定義やテスト、顧客とのやり取り、グラフィックデザイン、ユーザーインターフェース設計を含む)を果たしていたものの、営業や広報といった活動を行ったり、法務や税務に関する最終権限を任されたりはしなかった。これらの役割をすべて同時に果たすのは、まるで曲芸のようなことになりかねない。

 こういった役割はすべておろそかにできないため、肝心の作業に割ける時間はあなたが期待するよりもずっと短くなる。この点は、分かっていてもなかなか考慮しておくのが難しいはずだ。起業直後に時間のやりくりで苦労しなくて済むように、アプリビジネスに本格的に身を投じる前に、「空き時間」を利用してこういった業務について学習し、基礎固めを行っておくのがよいだろう。また、これらの作業を手伝ってくれる人とパートナー関係を結ぶという手もあるかもしれない。あなたの得意分野ではない作業をアウトソーシングするということもできるはずだ。

#3:世界中のライバル

 ある種の業務であれば、ライバルは近場の同業他社だけになるため、業種を書いた普通の看板(例えば「歯医者」や「カンフー教室」)を掲げるだけで済むかもしれない。しかし、オフィスの外に「アプリ」と書いた看板を掲げるだけで仕事が舞い込んでくるとは思えない。

 モバイルアプリというものは、国境に縛られないマーケットプレイスで配布されるため、あなたは世界中のライバルと競合する可能性がある。そして、あなたのライバルがベンチャーキャピタルから潤沢な資金を得ていたり、操業コストのはるかに安い国に拠点を置いている場合、このことは特に問題になるだろう。その結果、ライバルの方が個人事業者よりもずっと迅速にアプリを開発できそうだという場合も時々ある。あなたが運悪くベンチャーキャピタルを見つけられないというのであれば、ライバルよりも優れたアイデアを持っている、あるいはより優れた実装を行えるといった、他とは異なる強みを身につけるためにあらゆることを実践する必要があるだろう。

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