1つだけ分かっていることがある。自分よりも優れた人材は必ずいる。しかしIT業界では、その比率は1対1ではない。自分よりも賢く、仕事が速く、よい機材を持っているITプロフェッショナルが、100人はいるかもしれない。この比率は、ドルマークの後に続く数字にすぐに表れる。ITの世界は常に変化しており、自分がそれに追いつけなければ、雇われないかもしれず、職を維持できないかも知れないということを常に念頭に置いておくこと。わたしはこの業界に長くいるが、ますますこれは若い人向けのゲームだと感じている。必要なだけ素早く、必要なだけ長く働くことができる、などといった要因がすべて関係している。わたしは、われわれ年寄りはその重荷に耐えられないと言っているのではない。耐えることはできる。しかし、この業界の競争は毎日激しくなっており、その競争が凄まじいものだということは確かだ。
テレビで役者が「クラウド」という言葉を発するたびに、わたしは髪をかきむしり、テレビを蹴りたくなる。クラウドはITの領域の中でも、定義が流動的で、今後も流動的であり続けるだろうものの1つだ。クラウドとは正確には何なのか。クラウドを使うべきか。クラウドは安全か。クラウドにはどのくらいコストがかかるか。わたしは始終こういった質問を浴びせられている。一般にわたしは、こういった質問に対しては、顧客にGoogleドキュメントを使ったことがあるかと尋ねることで答えとしている。もし答えが「イエス」なら、顧客にはあなたはすでにクラウドを使っていると話す。しかし、これでは満足されない。顧客やエンドユーザーは、クラウドは自分の仕事をより簡単に、よりよく、より速くしてくれる魔法のような体験だと思いたがっている。彼らが真実を知ってくれていればいいのだが。
全般的に言って、なんらかの標準を適用できれば、ITの仕事はずっと楽になる。多くのオープンソースプロジェクトは、標準を作るためにあらゆることをしているが、企業の独自ソフトウェアに蹴散らされている。それらの独自ソフトウェアを作っている企業は、コードを非公開のままにし、標準と互換性がないようにしておくことによって、できるだけ収益を維持したいと考えている。それは理解できる。本当だ。しかし、もし彼らがまったく標準に従わないのであれば、エンドユーザーやITプロフェッショナルに毎日頭痛を起こさせているということだ。独自ソフトウェアを作っている会社が、大もうけをしながら、標準に従う方法もあるはずだ。
一般の人は、ITプロフェッショナルのことをあまりよく思っていない。それには多くの理由がある。以前に痛い思いをしたことがある。カモにされたことがある。大きくていいものだけを売りたがるコンサルタントに当たったことがある。一般の人がうんざりしているのは、これまでにこういったことが何度もあったからで、その中でITプロフェッショナルが敬意を勝ち取るのは難しいことだ。もちろん、われわれが姿を現したときには、差し当たって彼らは親しい友人のように迎えてくれる。しかし、「切迫した問題」が解決された瞬間に、われわれに腹を立てるか、われわれが本来言われていたよりも多くのことを(あるいはできるよりも多くのことを)やるべきだと主張してくるのだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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