西尾淳 (WINDY Co.)
2008/05/12 17:17
トータルバランスのよさか、薄さと軽さをとるか。はたまた、絵づくりの上手さか顔認識や水中撮影などの機能をとるか。コンパクトデジタルカメラは非常に種類が多い。メーカー別に特徴的な機種を見ていこう。
トータルバランスの高さが秀でている「IXY Digital 910IS」
キヤノンのコンパクトデジタルカメラはトータルバランスの高さが秀でている。先頭を切って最新技術を搭載するわけではないが、そのぶん、どの機能も安心して使える。顔認識機能も非常に認識率が高い。また、絵づくりではユーザーの想定するとおりのキレイな絵を造ってくれる。女性の肌などもとてもきれいだ。ラインアップとしてはスタイリッシュな「IXY」シリーズと、高性能・こだわり派向けの「PowerShot」シリーズという2本立て。PowerShotもいいが、やはり人気の中心はIXYだ。
新しい5倍ズームの「820IS」も悪くはないが、ここでは28mmの広角撮影が可能な「IXY Digital 910IS」を推しておく。3型の大型モニターを搭載しているのも魅力。またIXYは3桁型番モデルと2桁型番モデルでずいぶんデザインが異なるが、初期IXYの面影を残す2桁モデル、例えば「25IS」なども人気が高い。
ブレが収まった瞬間に自動的にシャッターが切れる「ブレ検出オートシャッター」がユニークな「EXILM CARD EX-S10」
カシオの意欲作、超高速連写モデル「EX-F1」はすごいが、誰にでも勧められるというカメラではないだろう。他を考えてみる。カシオのラインアップにはV系、Z系、S系などがあり、それぞれで微妙に性格づけが異なっている。なかでも魅力なのは、「EXILM」の名の元にもなったカード型、その最新モデル「EX-S10」だ。1,000万画素、3倍ズームを搭載しながら厚さ15mmに収め、重さは113gしかない。機能としては、ブレが収まった瞬間に自動的にシャッターが切れる「ブレ検出オートシャッター」がユニーク。ブレないように撮影する練習にもなる。動画サイト「YouTube」に適したサイズや画質で撮影できるモードも搭載している。
FinePix10周年記念モデルとして「100」の型番が与えられている「FinePix F100fd」
絵づくりの上手さで定評のある富士フイルム。フィルムで培ったノウハウは、コンパクトデジカメにも息づいている。現在の主力は「FinePix F100fd」。従来比400%まで広げられたダイナミックレンジにより、逆光のようなコントラストの高いシーンでも、しっかりと階調を写し出す。撮像素子のサイズも1/1.6型と、ほかのコンパクトよりひとまわり大きい。
レンズは28mm相当からの5倍ズーム。手ブレ補正も内蔵する。F100fdに先立って発売された「S100FS」は、下手な一眼レフを上まわる性能をもつ本格的なカメラだが、この2台はFinePix10周年記念モデルとして「100」の型番が与えられている。それだけ富士フイルムの気合いが感じられる製品に仕上がっている。
一眼レフを小さくしたような本格モデル「COOLPIX P80」
一眼レフが好調なニコンだが、コンパクトはいまひとつ弱い。買う側としてもあまりに真面目なその造りとこだわりの独自機構のため、つい重苦しく感じてしまうのではないだろうか。たとえば無線LANを搭載した「S52c」。使ってみるととても便利なのだが、それが十分には理解されていないように思う。
ここでピックアップしたのは最新の「P80」。一眼レフを小さくしたような本格モデルで、コマンドダイヤルも装備する。いかにもニコンらしいではないか。広角27mm相当からの18倍ズームは、最長で486mm相当にもなる。もちろん光学式手ブレ補正も装備する。画像サイズが制限されるものの、撮像感度は最高でISO 6400と、これも一眼レフ顔負けだ。
水深40mまで使用できる、オプションの防水プロテクター
オリンパスの水へのこだわりは半端ではない。生活防水で始まったμシリーズが行き着いたところは完全な水中撮影が可能な「SW」だった。ちなみに「SW」は“ショック&ウォータープルーフ”の略である。現在SWとしてラインアップしているのは「μ1030SW」と「μ850SW」。μ850のカラフルなデザインも捨てがたいが、28mmの広角撮影が可能なμ1030SWがより楽しいはず。ワイド端で10cmまで近寄ることができ(マクロモード)、なにより水深10mでの水中撮影が可能というのがすごい。
さらにオプションの防水プロテクターを使用すれば、水深40mまで使用できる。μ1030SWやμμ850SWは水中だけでなく、寒さや衝撃にも非常に強い造りとなっている。アウトドア派にお薦めのカメラだ。
レンズを向けるだけで最適な設定で撮影される「LUMIX DMC-TZ5」
パナソニックのコンパクトは非常に種類が多い。主力モデルのFX系をはじめ、高倍率ズームのTZ系、簡単操作でスリムなFS系、本格的なFZ系などがラインアップする。ピックアップしたのは高倍率ズーム系最新モデルの「DMC-TZ5」。10倍ズームレンズを搭載しながら、通常のコンパクトモデルとほとんど変わらないボディに収まっているのがすごい。
また、ワイド端は28mm相当と、広角撮影が可能なのもいい。もちろん光学式手ブレ補正も装備する。パナソニック得意の自動モード切替機構「おまかせiA」を搭載し、レンズを向けるだけで最適な設定で撮影される。46万画素3型の高精細大型モニターもうれしい。旅行に最適の1台だ。
撮像感度はISO 6400まで自動でアップ!「Optio M50」
ペンタックスのコンパクトデジタルカメラはそれほど多くはない。高画素・高性能な「A40」、小型・スリムな「M50」、単三電池対応の「E50」というラインアップだが、特徴的なのはコストパフォーマンスの高さ。
M50が2万円強、E50は1万6000円程度で購入できる。例えばM50は、光学式手ブレ補正こそ搭載していないが、顔認識や高感度機能を装備する。特に撮像感度はISO 6400まで自動でアップし、手ブレや被写体ブレを抑えてくれる。明るいボディカラーもいい。
光学3倍ズームレンズは、24mmという広角撮影が可能な「Caprio GX1」
リコーも製品数は少ないが、ユニークなモデルを用意している。「GRデジタルII」は28mm相当の単焦点レンズを搭載する高級コンパクト。歪みの少ないレンズやマグネシウムのボディなど、他のコンパクトとは一線を画する。
このGRもいいのだが、“単焦点ではちょっと”というユーザー向けに「GX100」を薦めておく。光学3倍ズームレンズは、24mmという広角撮影が可能で、GRに負けない高級感もある。着脱式液晶ビューファインダーも楽しい。
「動画デジカメ」として人気の「Xacti DMX-CA8」
独特の縦形ボディで「動画デジカメ」として人気のXacti。ハイビジョンモデルも用意されているが、ハイビジョンとなると一般的なビデオカメラも比較しなければならない。やはりXactiの機動力を活かすならVGAムービーの方ではないだろうか。小型な「DMX-CG9」いいが、5月に登場する防水の「DMX-CA8」が魅力。ムービーカメラでありながら、1.5mまでの水中撮影も可能にした。顔認識機能も搭載する。ちょっと他にはないカメラだ。
マニアックな1台「DP1」
“コンパクトカメラの撮像素子は小さすぎる。一眼レフサイズの撮像素子を搭載してほしい”という声は、マニアを中心に根強く続いていたが、それを実現したのは、レンズメーカーとして有名なシグマだった。「DP1」は同社の一眼レフ「SD14」に搭載されているものと同じAPS-Cサイズ。
レンズは28mm相当の単焦点レンズ。操作系などにクセはあるものの、その描写能力はコンパクトの域を超えている。RAWを重視した画像の考え方もコンパクトレベルではない。リコーの「GR」と同様に、ファームウェアのアップグレードで機能や性能の向上を図り、長く使えるようにしたのもいい。マニアックな1台だ。
スリム&大画面のソニーらしさを持つ「Cyber-shot DSC-T300」
ソニーのコンパクトデジタルカメラには、スリム&大画面の「T」シリーズ、光学ファインダーを備えた「W」シリーズ、高倍率ズームの本格派「H」シリーズなどがあるが、やはりソニーらしいという点でTシリーズの最新モデル「DSC-T300」がいい。3.5型という巨大な液晶モニターを装備し、操作はタッチパネル。撮影時、モニターに触れればそこにピントが合うというユニークな機構を搭載する。もちろん顔認識や光学式手ブレ補正も装備する。ちょっと未来なデジカメだ。
一眼レフ派もコンパクト派も必見
コンパクトデジタルカメラ、一眼レフカメラともに新製品が出そろった2008年春。コンパクトデジタルカメラは、顔認識の発展、極薄、防水機能など個性ある機能が多彩だ。一眼レフでは、エントリー機が一斉に新しくなった。手ブレ補正もほぼ装備が完了し、流行はライブビューや階調補正へ移行している。多彩な製品の中から、機能を見極めてお気に入りの1台を見つけよう。
2008年春は、プロ向けの高価なモデルを除き、ほとんどのデジタル一眼レフが一気に刷新されるというシーズンとなった。これだけそろって新しくなるのはちょっと珍しい。新製品がひととおり出そろったところで今年の一眼レフカメラを総括してみよう。
どのカメラもレベルが上がり、買って失敗したと思うようなものはなくなった。そういった意味では安心できるのだが、各カメラにはキャラクターがあるからおもしろいのだ。自分の指向に合ったものを選べる一眼レフカメラを紹介する。
コンパクトデジタルカメラが一般ユーザーに行き渡って久しい。一時は“デジカメの成長は終わった”などとも言われたが、さに非ず。手ブレ補正や顔認識などの新しいデバイスによって、コンパクトデジタルカメラは再び発展を始めた。カメラは便利で楽しいものであることを止めようとはしない。
トータルバランスのよさか、薄さと軽さをとるか。はたまた、絵づくりの上手さか顔認識や水中撮影などの機能をとるか。コンパクトデジタルカメラは非常に種類が多い。メーカー別に特徴的な機種を見ていこう。



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