最終更新時刻:2008年7月25日(金) 21時03分

流行は手ブレ補正からライブビューへ--デジタル一眼レフカメラの動向を探る

西尾淳 (WINDY Co.)

2008/05/12 17:14  

エントリー機が一斉に新しくなった2008春

 デジタル一眼レフは相変わらず売れている。CIPA(カメラ映像機器工業会)のデータによると、2007年の一眼レフの国内出荷台数は1,065,776台で、前年比148.6%の伸びとなった。これはデジタルコンパクトカメラの伸び率114.0%と比べてはるかに大きい。また、台数ではコンパクトタイプの1/10ほどだが、金額ベースではデジカメ全体の1/4を一眼レフが占めている。販売単価が高く、販売台数が伸びている一眼レフをメーカーが見逃すはずはなく、ショップには各メーカーがチカラを入れて開発したデジタル一眼レフが並ぶことになった。

デジタルカメラ出荷実績(国内) デジタルカメラ出荷実績(国内)
人気を誇るキヤノンEOS Kiss X2。レンズキットで市場推定価格93200円前後 人気を誇るキヤノンEOS Kiss X2。レンズキットで市場推定価格93200円前後

 この春のニューモデルを見てみると、特にエントリー層向け一眼レフが多く登場しているのがわかる。コンパクトカメラからの乗り換え(もしくは買い増し)ニーズを狙ったモデルだ。キヤノンのEOS Kiss X2ニコン D60、ソニーのα350α200、ペンタックスのK20DK200D、そしてオリンパスのE-420だ。この中でペンタックスのK20Dだけはちょっと上のモデルだが、それ以外はレンズ込みで10万円以下で購入できる。

どのカメラも基本性能が上がった

ISO 6400でもほとんどノイズを気にせず利用できる、ニコンD3 ISO 6400でもほとんどノイズを気にせず利用できる、ニコンD3

 エントリー機といえども画素数はすべて1000万画素を超えた。中には1400万画素以上のモデルもあるが、びっくりするほどの解像力の差はない。むしろあまりに高画素になると組み合わせるレンズの要求も高くなるというナーバスな面も見えてくる。画素数にはこだわらないほうがいいだろう。連写性能についても、このクラスは秒2.5〜3.5コマと、あまり大きな違いはない。

 高感度化、低ノイズ化も全体にゆっくり進んできる状況だ。常用域はだいたいISO 100から800程度。以前はキヤノンのCMOSが非常にノイズが少なかったが、他メーカーもノイズ対策が進み、それほど差はなくなっている。例外的に高感度・低ノイズを誇るのは昨秋登場したニコンの「D3」だ。35mm判フルサイズの撮像素子ながら、画素数を1210万画素に抑えた贅沢な設計が効いたのだろう。ISO 6400でもほとんどノイズを気にせず利用できる。

コンパクトなボディが魅力の、E-420 コンパクトなボディが魅力の、E-420

 手ブレ補正機構はどのメーカーもクリアした。キヤノン、ニコンはレンズ側で、それ以外のメーカーはボディ内に手ブレ補正機構を装備する。E-420は手ブレ補正機構を持たないが、コンパクトなボディはそれを補って余りあるほど魅力的である。ボディ内手ブレ補正は、どのレンズでも効果が得られるというメリットがある。手ブレ補正レンズをそろえなくてもいいから、そのぶんレンズ購入のコストも下げられる。では、キヤノン、ニコンではコストが高くなるかというと、そんなことはない。手ブレ補正レンズを安く提供しているのだ。何十本もレンズをそろえるマニアならともかく、レンズが2〜3本という一般ユーザーなら、すべて手ブレ補正レンズにしてもそれほど大きな差はないはずだ。

ライブビューと階調補正が新しい

ライブビュー用のセンサーを別に備える、使い勝手のよいソニーα350 ライブビュー用のセンサーを別に備える、使い勝手のよいソニーα350

 2007年から今年にかけて、一眼レフで一斉に採用が始まったのが「ライブビュー」だ。リアルタイムの像を液晶モニターに写し、光学ファインダーを覗かずに撮影できるというコンパクトデジタルカメラでおなじみの機能。これが一眼レフで採用されたのは、ひとつにコンパクトカメラから乗り換えても同じように使用できることや、両目でフレーミングする便利さが認められてのこと。また、一眼レフで使われている大きな撮像素子では、長時間写し続ける場合の発熱が問題になっていたが、それがクリアできてきたという技術の発展も理由として挙げられる。

 ただ、このライブビューの扱いはメーカーによってまだ差がある。もっとも積極的に採用しているのがオリンパスの各モデル(含 パナソニックDMC-L10)。それとソニーのα350だ。オリンパスは2006年2月に発売したE-330から積極的にライブビューを取り入れ、最新のE-420では顔認識も可能になった。α350はライブビュー用のセンサーを別に備えるという方法で使いやすいライブビューを提供した。ライブビュー時に拡大表示できないなどの問題はあるが、使い勝手はとてもいい。

 一眼レフでのライブビューでは、オートフォーカスをどうするかという問題がある。一般に一眼レフでは位相差式というオートフォーカス方式が使われているが、撮像素子を使うライブビューでは、ピント合わせのたびにミラーを上げ下げしなければならない。これがガシャガシャとうるさいし、シャッタータイミングを逃すことにもなりかねない。コンパクトカメラで使われているコントラスト検出式を搭載する一眼レフも増えている(Kiss X2、D3、E-420など)。撮像素子に写った像そのものからピントを拾い出すため、ミラーを動かさずにピントが合わせられるが、位相差式との速度差は大きく、このあたりをどうするかが今後の焦点だろう。

白飛びを抑える階調補正、ニコンの「アクティブD-ライティング」 白飛びを抑える階調補正、ニコンの「アクティブD-ライティング」

 そのほかの新しい機能としては、暗部を明るくしたり白飛びを抑える階調補正がある。ソニーの「Dレンジオプティマイザー」、ニコンの「アクティブD-ライティング」などをはじめ、主に黒くつぶれやすい暗部を明るくする働きが中心だが、ペンタックスの「ダイナミックレンジ拡大」機能のように、白飛びを抑えて階調を確保するものもある。まだα700D3など一部を除いて補正は控えめだが、この機能のポテンシャルは非常に高い。絵づくりそのものを変え、肉眼で見るのとはまったく違うキレイな絵が提供される可能性もある。階調補正機能の発展に注目したい。

※ここでいいう「一眼レフ」はレンズ交換式一眼レフカメラのことです。本来の意味である一眼レフ構造であっても、レンズ一体式のカメラは「コンパクト」に分類しています。

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デジタル一眼レフカメラ お薦めモデル

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