最終更新時刻:2008年7月25日(金) 21時03分

究極のユーザビリティを追求した「LOOX Rシリーズ」の開発の裏側を探る[インタビュー前編]

インタビュー・文:大谷隆行 写真:渡徳博

2008/03/03 13:00  

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激しい競争が繰り広げられている「ビジネスモバイルノート」市場。ともすればスペックやコンパクトさなど分かりやすい数値で語られがちだが、本当にユーザーが求めている品質は必ずしもそれだけではない。「ユーザビリティ」という数値化不能な価値を創出する、富士通の新提案とは?

ユーザビリティこそが全ての価値に優先する

--競争の激しいビジネスモバイル市場に『LOOX Rシリーズ』を新規投入するにあたって、とりわけ何を重視されましたか?

写真左より富士通デザイン株式会社 ユビキタス・ソリューションデザイン部 藤田博之氏(チーフデザイナー)、富士通株式会社 パーソナルビジネス本部 PC事業部 PCデザイン技術部 後藤克一氏(構造設計)、同 モバイルノート技術部 嶋崎麻雄氏(プロジェクトリーダー) 写真左より富士通デザイン株式会社 ユビキタス・ソリューションデザイン部 藤田博之氏(チーフデザイナー)、富士通株式会社 パーソナルビジネス本部 PC事業部 PCデザイン技術部 後藤克一氏(構造設計)、同 モバイルノート技術部 嶋崎麻雄氏(プロジェクトリーダー)

嶋崎(プロジェクトリーダー) ビジネスユースを想定したマシンですから、「軽い・強い・パフォーマンスが高い」という基本は、当然きっちり押さえなければいけない。この部分については富士通がずっと培ってきた技術の蓄積がありますし、今回の『LOOX R』でもより高いステージを実現できたと自負しています。ただし、これは私自身の経験も含めてですが、本当に使い込みたくなるビジネスモバイルノートには、単なるスペックには還元できない何かがあると思うんですね。

 まず第一に、日常の「道具」としての完成度が求められます。モバイルユーザーの方はお分かりだと思いますが、これはきわめて微妙なバランス上に成り立っているもので、例えばどんなにCPUスピードが向上してもキーボードのポジションやピッチ(幅)が少しズレただけで、作業効率がぐんと落ちてしまうことが多々ある。身体にしっくり馴染んでこその「道具」ですから、ストレスなく使える操作感の追求は、きわめて重要になってきます。

--ツールとしてとことん使い込んでもらうには、むしろ数値化できない使い勝手こそ重要な選択ポイントになると。

「突出したスペックは分かりやすいセールスポイントになりますが、それらを最適バランスで組み合わせることの方が、実はモノ作りとして高度な部分もあるんです」(嶋崎氏) 「突出したスペックは分かりやすいセールスポイントになりますが、それらを最適バランスで組み合わせることの方が、実はモノ作りとして高度な部分もあるんです」(嶋崎氏)

嶋崎 はい。さらにもう一つ、モバイルノートにはビジネスマン個人の「アイデンティティ」をさりげなく主張してくれる側面もあります。ちょっとした質感やディテールのデザインだったり。あるいは、いつでも情報にアクセスできる仕事スタイル自体、個性の一部をアピールする助けになるかもしれません。いずれにせよ、オフィシャルな場面に持ち出しても決して違和感がなく、同時に「自分だけのもの」という所有感を抱かせてくれるノートパソコンを、実は多くのユーザーが求めている。

 スペックと、使い勝手と、デザイン性。ときに矛盾するこれらの要素をいかに高い次元でバランスさせるか──今回の『LOOX Rシリーズ』は、このせめぎ合いから生まれたと言えます。

--実際に使ってみると、たしかによく練り上げられたバランス感覚のようなものが随所から伝わってきますね。

後藤(構造設計) 単純に「軽くて薄いパソコン」や「稼働時間が長いパソコン」ということであれば、正直もっと作りようはあると思います。でも、その結果、使い勝手が悪くなっては元も子もないだろうと。ユーザビリティ(使いやすさ)を犠牲にしてまでスペックを追求することは、我々としては絶対したくありませんでした。

 例えば、ビジネスモバイルと言うからには作業環境が変わっても快適に仕事ができないといけない。であれば、いくら重量が軽くてもUSBポートが左右どちらか片側にしか付いてないマシンは、非常に具合が悪いわけですよね。ですから『LOOX Rシリーズ』では、コネクタやメディアドライブの位置にも1つひとつこだわって、ユーザーにとって最適なレイアウトを追求しました。ディスプレイやキーボードのサイズ、排気口の位置などについても全て同じことが言えます。

 とにかく、ビジネスマンの方にとことん愛着を持って使い込んでいただけるマシンに仕上げることがプライオリティの最上位。その中でいかにコンパクト化を図り、バッテリーライフを伸ばせるかというのが、私たち技術スタッフに課せられた大きな課題でした。

富士通ビジネスモバイルノート『LOOX Rシリーズ』

従来の10.6型ワイド液晶搭載モデル(LOOX T70X)とほぼ同じ設置面積に12.1型ワイド液晶を搭載。コンパクトさと使いやすさを兼ね備えた、富士通の新しいビジネスモバイルノートが、この『LOOX Rシリーズ』だ。最新の「インテル Core2 Duo プロセッサー 低電圧版」や、ガラス厚を薄型化したLEDバックライト液晶の採用などにより、約1.27kgの軽量ボディーと約11.7時間という長時間稼働を両立。また200kgfを再現した天面部の全面加圧試験や35kgfの一点加圧試験など厳しい基準をクリアし、真のモバイルギアにふさわしい堅牢性もしっかりと確保されている。また本体天面部には光沢のグロスブラック色を採用。デザイン面でのプレミアム感も大きな魅力だ。


仕様

●外形寸法:W274〜280×D207×H27.3〜37.4mm
●CPU:インテル Core2 Duo プロセッサー低電圧版SL7100(1.20GHz)
●OS:Windows Vista Business
●メモリ:1GB
●HDDドライブ:約120GB
●光学ドライブ:DVDスーパーマルチ(DVD±R 2層書き込み対応)
●通信機能:IEEE802.11a/b/g、Bluetooth
●インターフェース:USB2.0×3、モデム(RJ-11)、LAN(RJ-45)、IEEE1394(S400 4ピン)、外部ディスプレイ端子(アナログRGBミニ D-SUB 15ピン)ほか

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