text by 南 謙治
各社、一斉に冬モデルの発売を開始した。auは夏モデル15機種から冬モデルは8機種に、ソフトバンクモバイルは12機種から10機種に絞ったのに対して、NTTドコモは705iと905iをあわせた全23機種を発表した。各事業者はどのように冬商戦を戦っていくのだろうか。
10月16日に発表した8機種に、先行発表した「INFOBAR2」をあわせた9機種で冬商戦を戦う。秋冬モデルを見ると、あまり代わり映えがしない機種が多いように思えるKDDIのauラインアップ。実はそこが重要なのである。最先端の機能とデザインを惜しげなく投入した機種だけでは、なかなか一般ユーザーには受け入れられない。シンプルでも安心して使える機種が必要なのだ。今回のauは、“尖っただけのイメージではないau”を突き詰めていったような雰囲気が感じられた。
KDDIは、07年夏モデルからライフスタイルにあった端末をテーマにしてきた。秋冬モデルは「もっと、ケータイを」がコンセプトとなっている。
このコンセプトを軸に、デザインへのこだわりや、品質向上、利用シーンから醸成されるサービス・機能を目指したという。
デザインに関する調査を、KDDIの社内で実施した。たとえば、薄型(15mm以下)と超薄型(10mm以下)に対する価値観を比較すると、女性はあまり変わらないのに対して、男性の方が超薄型に対するニーズが高い結果という。特に30〜40代の男性が関心が高い。この調査結果から折りたたみタイプで薄さ9.9mmの「W55T」を開発。しかも大人の男性向けのデザインに仕立て上げた。たとえばワンセグ端末では、有機ELモデル、液晶モデルを用意し、その中に各1モデルずつ15mm以下の薄型モデルを用意した。
秋冬モデルは機能だけでなく、サービスも進化させている。そのひとつが、総合音楽サービス「LISMO」だ。ソニーと提携し、ケータイでダウンロードした着うたをPC経由でウォークマンでも利用できるようにした。しかも、楽曲配信サービス「mora」との連携で、PCでmoraからLISMOを利用してダウンロードした楽曲をウォークマンでもケータイでも使える。
このように、薄型などを追求しながらも、KDDIの強みである音楽、ワンセグを中心としたエンタテインメント機能を進化させているのだ。いわば正常進化といえよう。奇をてらった端末は抑え目にした強みを生かした安心して使える端末を供給する戦略となっている。これを一般ユーザーへの訴求につなげていきたいようだ。
9月中間期決算で、過去最高の営業利益を発表したKDDI。しかし、純増数1位をソフトバンクに奪われたままの状況について、狙えるものなら1位を狙いたいと意欲を見せた小野寺KDDI代表取締役社長。2007年は1月にW51シリーズを大量投入したこともあり、今回の冬モデルがすべての端末を発表したわけではないようにも思われる。それもそのはず、今回は、auで人気の高いカシオをはじめ、シャープや松下も新機種を発表しなかったのだ。 メーカーの担当者によれば、開発は進めているとのことなので、2008年にかけて好調のKDDIの今後に期待したい。
冬モデル発表会で、音楽サービスが次の段階に入ったことをアピールするKDDI 取締役執行役常務 コンシューマ事業統轄本部長 高橋誠氏



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全国の有力家電量販店販売実績集計より