有料モバイルコンテンツの継続に関する調査(下)--「飽き」がサービス退会の最たる原因!?

Webマーケティングガイド2007年05月25日 13時00分

 Webマーケティングガイドでは、モバイルインターネット調査会社のネットエイジアリサーチと共同調査のもと、有料モバイルコンテンツの継続に関する調査を行った。

 今回の調査対象は、10代〜30代のモバイルユーザー300人。男女ともに、10代、20代、30代の各年代で均等割付けを行った。また、キャリア比はDoCoMo:48.3%、au:40.0%、SoftBank:11.7%となっている。

 前回の有料モバイルコンテンツの継続に関する調査(上)では、70%以上のユーザーが3カ月以内にコンテンツを解約してしまうという傾向が出たが、今回の調査では有料モバイルコンテンツから退会する理由とそのタイミングについて調査を行った。

 まずQ1では、有料のモバイルコンテンツを解約したきっかけを尋ねたところ、最も多かった回答は「そのコンテンツに飽きたから」で38.7%となっており、次いで「料金が高かったから」の33.0%が続く結果となった。

モバイルコンテンツの継続率に関する調査(下)Q1-2007.05.23.

 上記結果を見てもわかるように、どの項目においても群を抜いて回答率の高い理由は得られなかった。しかし、「そのコンテンツに飽きたから」という回答が最も多く、また「他に良いコンテンツが見つかったから」という回答が一番少なかったことを考えると、多くのユーザーは“コンテンツを乗り換える”のではなく、コンテンツに飽きたらまず解約し、そしてその後に新たなコンテンツに加入するのではないと考えられる。

 また、「料金が高かったから」と回答したユーザーが30%以上いたことに関して言及すると、有料コンテンツにおいては『初月無料』を実施している例が多い。その為、ユーザーはその際に無料という文字に目を奪われ、翌月以降の料金を考慮せず入会し、そして翌々月の支払い明細を見て、初めてその料金に気付くというパターンも多くあるのではないかと考えられる。多くのコンテンツプロバイダーでは、月末の退会が多いという話を耳にするが、上記仮説が一つの理由となっている可能性も少なからずあるだろう。

 今回の調査では、退会した後の行動にまでは迫っていないが、ユーザーのその後の行動とコンテンツを解約する時期、そして入会する時期の特徴を把握することで、有料コンテンツにおけるユーザーの行動特性を明らかにすることが必要になってくるだろう。

 次いでQ2では、Q1で有料モバイルコンテンツを退会したことが一度もないと回答した88人以外に対して、有料モバイルコンテンツを解約するタイミングを尋ねたところ、「特に決まっていない」という回答が圧倒的に多く68.9%となった。

モバイルコンテンツの継続率に関する調査(下)Q2-2007.05.23.

 「携帯電話の機種を換えたとき」は14.6%、また「メールアドレスを換えたとき」も11.8%の支持を得ているものの、やはり「特に決まっていない」の68.9%とは大きな差が出る結果となり、ユーザーのニーズはいつ何時に変化する予測がつかず、モバイルユーザーは非常に移り気な性格にあるのではないかと考えられる。

 ケータイ白書2007(インプレス)によれば、月額許容額は「200〜300円未満」が15.5%(2005年)から17.7%(2006年)へ増加し、「300〜400円未満」も前回の2.9%から5.0%へと増加しており、全体的にやや増加傾向にあることがわかる。

 しかしながら、モバイルユーザーにとっては「面白くない」「飽きてしまった」コンテンツに料金を支払うことには強い抵抗があると考えられ、常にユーザーのニーズを理解し、ユーザーが求めているものを提供し続ける努力が必要となってくるのではないだろうか。

 また、今回の調査では「携帯電話の会社を替えたとき」と回答したユーザーは6.1%しかいなかったが、これは今回の調査がキャリア変更の経験者だけを対象にしているわけではないため、あくまでも参考値として見ていただきたい。しかしながら、携帯電話のキャリアを変更したタイミングで多くのユーザーがコンテンツを解約し、再度契約するユーザーは少ないのではないかと考えられる。

 携帯業界がMNP制度を導入し、ユーザーの機種変更への障壁を取り払おうとしている以上、携帯コンテンツの引継ぎについても何らかの対応策が必要となるだろう。

 企業にとって会員の退会率を低下させることは非常に重要な問題である。この課題を解決する為にも、「誰に」、「何を」、そして「どのように」というビジネスの基本を明白にする必要がある。幸いにもモバイルのネット環境が整った現代は、モバイルリサーチを用いることで、ユーザーの行動や趣味思考などを把握することができ、ユーザーニーズにマッチしたサービスを提供することが可能となる。

 また、「何を」や「どのように」というサービスの中身と方法についても同様のことが言え、常にユーザーが求めているものを把握しておき、そしてそれを迅速に行動へと移せるような体制作りが必要となっているのではないだろうか。

本調査は、業界の全般的な調査となっております。
あくまでも指標となるものですので、参考データとしてご活用下さい。
業種や取り扱っている商品、またユーザーの属性によっても調査結果は大きく異なると考えられます。
より詳細な業界動向や、ターゲット層に合わせたリサーチにご興味をお持ちの方は、
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サンプル数  :300
調査期間   :2007年05月07日〜2007年05月09日
調査方法   :モバイルリサーチ
調査機関   :ネットエイジア株式会社
対象者     :10代〜30代までのモバイルユーザー

本調査結果の単純集計を無料でご提供させていただきます。
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