アンジー
2007/08/10 20:52
活字離れ、出版不況と言われ続ける出版業界。1996年の2兆6564億をピークに7年連続のマイナス成長を続けています。財団法人デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ市場関連の調査研究業務(国内市場)報告書」によれば、直近の2005年は前年比2.1%減の2兆1964億円と現在も低調気味です。
市場は飽和状態で、ハリーポッターシリーズや『世界の中心で愛を叫ぶ』などの大ヒット作が出ないと売上は上がらない状況が続いています。しかし、このような出版業界において、驚異的なスピードで成長しているのが「電子書籍」の市場です。
そこで今回は、電子書籍販売サイトなどからダウンロードし、PC・携帯電話・専用端末を通して利用できる「電子書籍」の普及状況や利用の実態について調査しました。まずは、そもそも電子書籍を利用したことがあるかどうか、尋ねてみました。
●あなたは電子書籍または電子コミックを利用したことがありますか?(択一)
| 1 | 知っているが利用したことない | 62.2% |
| 2 | PCで利用したことがある | 18.5% |
| 3 | 知らない | 8.8% |
| 4 | 携帯電話で利用したことがある | 5.9% |
| 5 | PCと携帯電話両方で利用したことがある | 4% |
| 6 | 電子書籍専用端末で利用したことがある | 0.3% |
| 7 | PCと電子書籍専用端末両方で利用したことがある | 0.3% |
| 8 | 携帯電話と電子書籍専用端末両方で利用したことがある | 0% |
| 9 | PC、携帯電話、電子書籍専用端末それぞれで利用したことがある | 0% |
NetMileリサーチに登録した全国の1000人の男女(男性498人、女性502人)に8月7日に調査。
結果を見ると、全体の約9割が電子書籍を知っていると回答していますが、約6割過半数の人はまだ利用したことがないようです。広く知られてはいるけれど、普及度がまだ追いついていないことがうかがえます。裏をかえすと、これから成長がみこまれる市場だということを表しているのではないでしょうか。
また、今回のアンケートで「利用したことがある」と回答した方たちの中では、「PCで利用したことがある」人の割合(18.5%)が、「携帯電話で利用したことがある」人の割合(5.9%)の約3倍になっています。
財団法人デジタルコンテンツ協会発刊の「デジタルコンテンツ白書2007」によると、電子書籍市場全体を見ても、PCの市場規模の推計(81億円)が、携帯電話のそれ(69億円)よりも多いようです。しかし、2007年を境に携帯電話による配信がPCによる配信を逆転するだろうと予測されています。携帯電話が高性能化(液晶画面の大型化・高精細化)が進むにつれて、携帯電話で本を読むという人も増えていくことでしょう。
次は、電子書籍を「知っているが利用したことない」「知らない」と回答した710名に、それに対する関心度を訊いてみました。
●電子書籍・コミックを利用したことがないと回答した方に質問です。あなたは今後電子書籍・コミックを利用したいと思いますか?(択一)
| 1 | あまり利用したいと思わない | 43.4% |
| 2 | 少し利用してみたいと思う | 32.8% |
| 3 | 利用したくない | 18.9% |
| 4 | 利用したい | 4.6% |
| 5 | その他 | 0.3% |
認知度が高いのに反して、利用したくない、あまり利用したくないと回答した人が過半数を上回る結果になりました。「本は紙で読みたい」という人がまだ大半なのでしょうか。しかし、利用したい、少し利用してみたいと回答した人も4割弱はいます。携帯電話上で手軽に読める、本のように場所をとらない、本を買うより安く読めるなど、メリットの多い電子書籍に興味を持っている人も少なくありません。続いて、利用したことがある210名に、電子書籍を購入する頻度について尋ねてみました。
●あなたはどのくらいの頻度で電子書籍・コミックを購入していますか?(択一)
| 1 | 一度だけ | 58.3% |
| 2 | 月1回 | 20.3% |
| 3 | 月2〜3回くらい | 10.3% |
| 4 | 週1回 | 5.2% |
| 5 | ほぼ毎日 | 3.1% |
| 6 | 週2〜3回くらい | 2.8% |
電子書籍を読んだことがある人の6割が、「一度だけ」(58.3%)しか読んだことがないと回答しました。電子書籍の販売サイトには、無料で試し読みができるサービスがあるので、それを利用したという人もこの中に含まれていると思われます。
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以前から疑問に思うのは、なぜ出版業界や音楽業界が「廃版」と言う膨大なコンテンツを電子出版によって活かすチャンスをむざむざ見逃しているのか、と言うことだ。名作はいつでも需要のあるものだし、ロングテールを相手にした商売として十分成り立つと思う。近年の出版は原稿が電子ファイルだったり、電子版下だったりする場合が多いと思われるので、廃版の本も以前に比べて電子化はやり易いはずなのに、なぜか電子化されるのは軽めの新作ばかり。新作なら紙で買えるのだから、安くて読みやすい紙の方を買ってしまうのは無理もないと思う。音楽に至っては過去の作品が流通する場は違法サイトしかない。電子配信の仕組みはとっくにでき上がっているのだから、やってみても損はないのではないか?