業界最高(※1) の低誘電率と優れた耐熱性を実現した「ハロゲンフリー低誘電率多層基板材料」を開発。スマートフォンなど高機能モバイル端末用多層基板のインピーダンス整合をサポート。

パナソニック 2012年06月01日 09時30分
From PR TIMES



パナソニック株式会社は、スマートフォン、タブレットPCなどの高機能モバイル端末の多層基板に最適な、業界最高(※1) の低誘電率[1] を実現した「ハロゲンフリー[2] 低誘電率多層基板材料 R-1555S」を開発しました。

(※1)2012年5月31日現在 高機能モバイル端末に使用されるハロゲンフリー対応多層基板材料として(当社調べ)

▼電子回路基板材料オンラインカタログ Jan 2012
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■製品名:ハロゲンフリー低誘電率多層基板材料
■品番:R-1555S
■量産開始:2012年9月
■UL/ANSIグレード:FR-4
■UL認定フレームクラス-難燃性-:94V-0(取得済み)

スマートフォン、タブレットPCなどの高機能モバイル端末の小型化、薄型化、多機能化に伴い、各種デバイスが搭載される多層基板には、高密度配線化、高多層化、薄型化が求められています。このような中、当社では、ビルドアップ多層基板における回路設計時のインピーダンス[3] 整合をサポートする業界最高の低誘電率を達成した「ハロゲンフリー低誘電率多層基板材料 R-1555S」を開発しました。


【特長】(※2)当社従来品:ハロゲンフリー多層基板材料(品番:R-1566)
1.業界最高(※1) の低誘電率で、高密度配線・高多層・薄型ビルドアップ多層基板のインピーダンス整合のサポートを実現
比誘電率[4](Dk):3.6  当社従来品(※2)比 約15%低減

スマートフォン、タブレットPCなどの高機能モバイル端末の小型化、薄型化、多機能化が進む中、各種デバイスが搭載されるビルドアップ多層基板には、高密度配線や優れた高周波特性、高多層化、薄型化が求められています。その回路設計時にインピーダンス整合を行う際、板厚、回路幅、比誘電率などの値をコントロールする必要があります。昨今の高機能モバイル端末のトレンドから基板の総板厚を厚くすることは困難な状況であり、かつ端末の小型化・高機能化により基板の高多層化が進展しており、各絶縁層の厚みを薄くする必要があります。このような状況下においては、一般的な比誘電率(4.2)の基板材料を使用する場合、従来以上に微細配線化が必要となりますが、今回、開発したR-1555Sは、当社独自の樹脂設計技術の採用で低い比誘電率(3.6)を達成しています。比誘電率が低い本材料の使用により、微細配線化のトレンドにおいて回路幅に余裕を持たせることができ、回路形成時における歩留向上に貢献できます。

 
2.熱分解温度の向上で、優れた耐熱性を実現
熱分解温度:385℃ 当社従来品(※2)比 約10%向上

環境志向の高まりから、鉛フリーはんだの採用が主流となっています。鉛フリーはんだは従来のはんだに比べ融点が高く、実装温度(リフロー温度)が20~40℃と高く、加えてビルドアップ多層基板の高多層化が進むことで、はんだリフロー時のデラミネーション(層間剥離)発生の懸念が高まっています。R-1555Sは当社独自の樹脂設計技術により、熱分解温度を当社従来品に比べ約10%向上させることにより、優れた耐熱性を実現しました。


3.ハロゲンフリー、鉛フリーはんだ実装工程に対応でき、地球環境に配慮 
ハロゲンフリーで、鉛フリーはんだ実装工程に対応した地球環境に配慮した基板材料です。


【用途】スマートフォン、タブレットPCなど高機能モバイル端末用メイン基板 等

【基本仕様/特性】 
■比誘電率(Dk)     3.6
■熱分解温度      385℃
■誘電正接[5](Df)  0.009 


【用語説明】
[1] 誘電率
材料の電気特性のパラメータで、物質(誘電体)内で、電荷とそれにより与えられる力との関係を示す係数。

[2] ハロゲンフリー
焼却時にダイオキシンの発生の可能性がある臭素(Br)、塩素(Cl)などのハロゲン化合物を用いないこと。

[3] インピーダンス
電気回路における電圧と電流の比であり、回路上を流れる信号に対する抵抗成分のこと。また、電気信号の伝送路において出力インピーダンスと入力インピーダンスを合わせることをインピーダンス整合と呼び、伝送路内での電気信号の反射や損失を防ぎ、正確な伝送を可能にするために行われる。

[4] 比誘電率
「真空中=1」を基準とした物質の誘電率の比で、信号速度と密接な関係にある。
大量の情報を高速で処理するには、信号速度の高速化が不可欠となるが、信号速度は√比誘電率に反比例するため、この高速化要求は低誘電率化によって達成できる。εr、Dkとも表す。

[5] 誘電正接
「真空中=0」を基準とした効率伝送の目安で、誘電正接(伝送損失)が低いほど信号の減衰も少なく、効率的な信号伝達が可能となる。tanδ、Dfとも表す。


【備 考】
本開発の基板材料は、2012年6月13日~6月15日に東京ビッグサイトで開催されるJPCA Showに出展致します。


【関連情報】
▼パナソニック株式会社 デバイス社 電子材料ビジネスユニット サイト
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▼電子回路基板材料に関するお問合せ
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【お問合せ先】 
デバイス社 経営企画グループ 広報・調査チーム
TEL:06-6904-4732   
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プレスリリース提供:PRTIMES リンク

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