モバイルテレビのユーザは2010年までに1億2480万人に

英国ARCグループ社は新刊レポートで、放送とモバイル通信の融合化することでテレビの双方向性や広告収入が拡大し、モバイルテレビ放送の将来性は確実なものとなると結論付けている。

英国のARCグループ社(Informa Telecoms&Media)は、モバイルテレビのユーザは2010年までに1億2480万人に達すると予測している。2009年には放送ネットワークが登場し、製品が出揃うため、市場はクリティカルマスの段階に入るだろう。

ARCグループ社の調査レポート「モバイルテレビ:放送とモバイルマルチメディア」は、韓国と日本のモバイルテレビ放送受像可能な端末が力強く販売を伸ばし、今後数年はS-DMBとT-DMBサービスが世界の市場を先導するだろうと述べている。 2010年までには、世界の衛星DMBユーザは1502万人、地上波DMB加入者は1811万人となるだろう。 「でだしはもたついたが、DVB-Hは2008年に優勢になるだろう。2010年までに世界で7403万ユーザに達し、モバイルテレビのユーザ数は全放送の約60%となるだろう」と、調査レポートの著者David McQueen氏は言う。

製品市場では、2005年の13万ユニットから2005年には8350万まで成長すると予測される。 ビデオ機能のある携帯電話に対するモバイルテレビ放送受像可能な端末の販売の比率は、2010年までに約5対1で上回るだろう。

モバイルテレビというビジネスモデルが、モバイルオペレータ、端末ベンダ、放送事業者、コンテンツプロバイダなどのモバイルと放送産業の多くのセクタの関心を呼び始めている一方で、多くの課題も残っている。 その最大のものは、規制、容量、周波数の計画である。 「モバイルテレビビジネスの根幹は、放送と無線ネットワークの騒乱の中で、すべてのプレイヤがこの非常に複雑な市場で成功できるようなビジネスモデルを見つけることだ。これらのネットワークがお互いに競合するものになるか、あるいは相互補助的なものになるかは、最終的に市場の行方を占うものになるだろう。デジタルテレビの分野ではあまりうまくいっていないが、モバイルテレビの主要な原動力である双方向テレビサービスの実現のためには企業間の協力が非常に重要である。そこにこそ、サービスの実現と収益の可能性がある」とDavid McQueen氏は言う。

この市場の成功はまた、如何に魅力があって広く受け入れられるコンテンツをどのように提供し、消費者がこれらのサービスや機器を如何に速やかに受け入れるかにもかかっている。現在の視聴習慣を変えてまで、モバイルテレビを利用したいとするユーザがどのフォーマットを選ぶか、どのサービスが魅力的であるか、などについて査定する必要がある。さらに、機器の性能や高画質を提供できる大きなディスプレイ、使いやすいインターフェース、長持ちする充電器なども重要である。

さらにまた、コンテンツ料金の徴収においても課題がある。現在のデジタル放送のチャンネルの多くが無料で放送(free-to-air)していたり、広告料金でまかなっているのに対して、モバイルテレビ放送のビジネスモデルは、コンテンツに対していかに課金するかという点にある。無線オペレータはすでに利用者との間に利用料金徴収のシステムがあるので、ペイパービューなどの方法で課金することが考えられるが、公共放送とモバイルの分野では内容の幅やその質において大きく異なる評価基準に基づいているために困難が予測される。

世界中の多くの市場でテレビは日常生活の大きな部分を占めていて、携帯電話が多くの市場で飽和状態に近づいていることは事実である。ARCグループ社の調査レポート「モバイルテレビ:放送とモバイルマルチメディア」は、この大きな2つの理由と放送とモバイル通信の融合化することでテレビの双方向性や広告収入が拡大し、モバイルテレビ放送の将来性は確実なものとなると結論付けている。



◆調査レポート
モバイルテレビ:放送とモバイルマルチメディア
Mobile TV
Broadcast and Mobile Multimedia
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