日本最大規模「10万人が回答」 携帯電話乗り換え意向の四半期定点観測:第1回調査結果
本調査で,キャリア乗り換え意向は携帯電話保有者の7.3%だった。特にKDDI(au)への乗り換えを希望している人が39.6%と高く(NTTドコモ:12.5%,ソフトバンクモバイル:12.6%),以前から言われているようにKDDI優勢の構造は変わっていない(図1)。
携帯電話メーカーの乗り換え先は,シャープ(12.1%),パナソニックモバイルコミュニケーションズ(8.3%),NEC(7.9%)の順であった。また 4番手には,ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズが6.5%と続いており,今後同社の市場拡大の可能性がうかがえる。
本調査は,今後四半期ごとに実施していき,各事業者,メーカーの取り組みに応じたタイムリーな調査により時系列的に携帯電話市場の変化を明らかにしていく。次回2007年1月の調査では,MNP開始から3カ月後の状況,ソフトバンクの無料通話を売りとした“予想外割”の登場による影響も見えてくる。
●KDDIは年末までの3カ月で190万人増の可能性
キャリア乗り換え意向は有効回答9万9652人(全て携帯電話保有者)中7.3%で,その中でKDDI(au)への乗り換えを希望している人は, 39.6%を占めている。MNPを利用してKDDIに乗り換える人が35.5%で,これに「電話番号が変わってもいいから乗り換える」の4.1%を含めた値である。KDDIへの乗り換え意向者が全員実行し,KDDIから他キャリアへの流出分を差し引くと,全体市場における移動する契約者の比率は 2.23%。比率としては小さく感じるかもしれないが,実数にすると約190万人に上る。3カ月という短期間で本当に190万人もKDDIユーザーが増えたとすると劇的な市場変動である。
●次に買う端末はシャープが1位,ソニー・エリクソンが4位に
携帯電話メーカーの乗り換え先は,シャープ(12.1%),パナソニックモバイルコミュニケーションズ(8.3%),NEC(7.9%)の順であった。これは,現在の所有端末シェアの上位3社であるが,NECとパナソニックが入れ替わっている。また4番手には,ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズが6.5%と続いており,今後のソニー・エリクソンの市場拡大の可能性がうかがえる。
シャープは,最近auへの提供を開始し3事業者への端末提供となり,これからさらに勢いを増すことになるだろう。またパナソニックもソフトバンクへ提供を始めた。今後NECを含めた主力3メーカーの争いは,さらに激戦化してくると予想できる。
●KDDI(au)に変えたい人が,欲しいのはシャープ,NEC,ソニー・エリクソン
乗り換え先ナンバーワンの携帯電話会社auに乗り換えたいというユーザーの携帯電話メーカー選択は,やはりシャープが10.5%とトップである。シャープは,はじめてauにW41SHを提供開始してきたところから,まさにシャープにとっては明るい調査結果である。また既存au提供メーカーとしてはソニー・エリクソンへの選択が9.0%の2番手と高い。
ただここで注目したいのは,auを希望していながら,auにない端末メーカーであるNEC,パナソニックを希望しているユーザーが多いという点である。NEC,パナソニックがauへ端末を提供すれば,auへの乗り換えもさらに進むことが想定される。
(藤澤 一郎=日経BPコンサルティング シニア・コンサルタント)
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