コンプガチャ規制が業界に与える影響は?

2012年5月14日 13時14分

 消費者庁がソーシャルゲームの「コンプリートガチャ」(コンプガチャ)の規制を検討していると、読売新聞が5月5日付けで報じました。コンプガチャが景品表示法で禁じられている懸賞方法の「カード合わせ」に当たるとし、近く見解を発表し将来的には中止要請を行う予定としています。


 これに対し消費者庁は「(コンプガチャは)クロじゃないか?という方向で(考えている)」とコメント。コンプガチャは景表法違反の方向で検討しているとの見解を示しました。また一連の報道を受け、グリーやディー・エヌ・エー、KLabなど、ソーシャルゲームを提供する業界各社は、コンプガチャの廃止を相次いで発表しています。


 今回のコンプガチャ規制の流れは、ソーシャルゲーム業界および関連業界に、どのような影響を与えるのでしょうか?パネリストの皆さんのご意見をお聞かせ下さい。


  • 神田敏晶
    神田敏晶さん (ビデオジャーナリスト)
    コンプガチャ規制、コンプガチャ商法、「コンプガチャ」なる新語を安易に使われることこそが違和感。
    「コンプリート」+「ガチャ」=「コンプリートガチャ」
    この「コンプリート(完成)」にも「ガチャ(ガチャガチャ)」にも説明が必要だった。

     メディア報道の多くが、普通の人には理解のできないソーシャルゲームの黒船「コンプリ-トガチャ」が若者から何万円も巻き上げているという文脈の報道があまりにも多い。

     カード合わせが「コンプリート」であり、出現数が、「ガチャガチャ」と呼ばれるカプセルトイ。商標上、「ガチャ」は適正ではなかったはずだから、正しくは、「ネット上におけるコンプリート系カプセルトイ型ゲーム」と紹介すべきだったのではと思う。そう、それで紹介されても、意味はまったく通じないが(笑)

    「コンプガチャ」という新語であり、業界専門用語がそのまま新聞に掲載されているのに多いに違和感なのだ。
    (リンク »)

     ボクは今回の消費者庁の考えが、読売新聞にスクープされただけで、株価や6社に影響を与えたこと。また規制前に自主的に「コンプガチャ」を自粛するといっていることを、いい出来事であったと考えいてる。
     大きな事件化や貴重な命を失わずにすんだからだ。

     しかしながら、テレビのCMではグリーのドリランドので猪木カードを絶賛CM中というのが、5月末までに自粛というのとウラはらに最後のシノギを稼いでいるように見えて仕方がない。

    ソーシャルゲーム市場は2500億円、そのうち約7割が「コンプガチャ」によるもの。つまり、コンプガチャの約1750億円マーケットが2012年05月末日を持って、消滅することとなる。

    そもそも、このマーケットに、ボクも寄与しようと思って、グリーもモバゲーも試してみたが、何が面白いのかが全く理解できなかった。

    ボクだけではない、まわりの知人や生徒、年齢層も広くヒアリングするも、ハマっている人を見つけることが難しい。
     そう、ゲームを作っている人たちですら、なぜこんな単純なゲームにハマるんだろうと思いながら、ゲームが作れられているからだ。

    しかし、パチンコや麻雀好き、無職、フリーター、主婦、ニートという属性にハマっている人たちが多いこともわかってきた。

    つまり暇であり、携帯ひとつあれば、完結できるという手軽さ、日常に刺激が乏しい人たち、生活にメリハリが欲しいという、潜在顧客が見えてきた。

    ボクは、このゲームの果てが、資金ぐりが行き届かず、事件化し、コンプガチャ自殺や、コンプガチャ殺人が発生する前や、DeNAベイスターズ球団が社会通念上破綻する前に、自主規制に入ったことにとても安堵している。

    DeNAの守安社長、グリーの山岸副社長にも、2011年に同じ質問したが、ソーシャルゲームは今後も4倍以上の市場があると答えていただいた。
    しかし、情報弱者や社会的弱者向けのサービスで成立していることへの配慮には欠けていると感じていた。

    現在、消費者庁が景表法に抵触しているというリリースはない。
    (リンク »)

    これは、ソーシャルゲーム運営側が、自粛せざるを得ないということを、いつするかという段階にあったことを物語っている。

    本来であれば、その時点で、コンプガチャの成長曲線の衰退期を予期しての新サービスをリリースしておく時間であった。
    しかし、あまりにもの収益性の高さに、誰もその突然やってくるであろうリスクに対して何もなされていなかったことのほうが驚きである。

    DeNAもグリーもミクシィもサイバーエージェントもみんなネットバブル全盛の「ビットバレー」のベンチャー出身者だ。

    インターネットを、ダークサイドの錬金術側ではなく、正しい方向へと導く必要があるのではないだろうか?上場しているからなおさらのことだ。
    しかし、上場した途端、株主というネットの世界なんてどうでもいい人たちの顔色を見る必要が当然、出てくる。

    ビットバレーに参加していた時期を思い出してみて欲しい…。

    あの頃のベンチャー時に、そんな「コンプガチャ」のような、つまらないけど、儲かる事業に手を出していただろうか?

    ホリエモンなら手を出しただろうけど(笑)、他は、もっと知人とつながるSNSやオークションづくりに夢中になっていたはずだ。

    このfacebook全盛時に、日本的なUIを兼ね揃えたサービスを、猛烈な利益率を誇りながら、サービスインできない体質に対して、不思議でならない。

    facebookなんて、明日のMySpaceなのに…。なぜ、もっと先のSNSを運営しないのだろうか?

    インターネット上では、ビジネスを超越して、人類や地球を豊かにし、幸せにするものでしか、最後は生き残れないのだから。
    2012-05-14 14:42:19

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]