秋冬モデル登場、ケータイの進化は止まらない?

2007年10月22日 15時22分

 au携帯電話の秋冬モデルが発表されました。2.8インチQVGA有機ELディスプレイや、au×sonyのコラボレーションによる音楽サービスの強化、待ち受け画面へのGoogle検索窓の設置、さらにほとんどの機種がワンセグを搭載するなど、非常に高機能なラインアップとなっています。このあとソフトバンクモバイル、NTTドコモも秋冬モデルの発表を行いますが、携帯電話端末は今後どのような方向に進化していくのでしょうか。ユーザー、そしてキャリアにとって、周辺サービスも含めた差別化要因はどのような点に移っていくのでしょうか。パネリストの皆さんのお考えを聞かせてください。


  • 松村太郎
    松村太郎さん (ジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ)
     今回の秋冬モデル、洗練が進んでいて、魅力的な端末が多いです。有機EL液晶で見るワンセグは、今までとは違うビビッドな経験になるんじゃないかと思います。アニメより実写の方が見やすいかも知れません。とにかく、ぜひお試しを。

     この秋冬モデルでケータイがそこまで大きな進化をしているか? と言われるとそうでもない。とはいえ、これまでの高メディア化・高エンターテインメント路線がより洗練されると同時に、次のトレンドの芽も生まれ始めている。

     月並みだが、ケータイがマッシュアップの場になっていく。ウェブ、生活アプリ、メディア、エンターテインメント、健康管理など、明示的なアプリケーションに加えて、ケータイが持ち合わせている要素、つまり個人と非常に接近しているツールだからこそのパーソナル性、アイデンティティ性、デコレーション性、場所性が加えられていく。

     自由な発想でサービスを考えても、それが実現できるのが「マッシュアップの場」の本質だ。その柔軟さがキャリアによって争われれば、ケータイの既存の機能でコンテンツビジネスの場になっていたメールやウェブ、着うた以外のビジネスの可能性を押し広げることになる。

     auが発表したauoneガジェットは、特にウェブ系やメディア系を中心に、検索、メールやSNSの新着情報を出してすぐにアクセスできるようになる。「待ち受け画面のリデザイン」がスタートした。EZニュースフラッシュを上手く発展させているので、ユーザーの導入もスムーズそうだ。

     ちなみに次に控えているケータイの進化の局面は、Wi-Fiとのミックス、HSPA+やWiMAXがらみの、無線通信の進化だが、今回こそは、何に使うか、そのニーズを起こしながらやって欲しいと思う。現在のケータイのマッシュアップ系サービスの充実が、これら高速通信へのニーズを決定してくる。キャリアもコンテンツ提供会社も、ミライのために面白いことをたくさんやっておいた方が良い。

     Wi-FiとケータイのミックスではiPhoneが先行しているが、「ケータイ・ウェブ」の世界がないアメリカらしく、PCと同じウェブへの優秀な窓口として機能しているだけだ。日本で出ればiPhoneは注目されるが、「それ以外」の領域の方がもはや大きいはずだ。
    2007-10-22 14:51:02

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