夏を制したソフトバンクモバイル、好調の要因は?

2007年9月10日 11時57分

 8月の携帯電話・PHSの契約純増数は、4カ月連続でソフトバンクモバイルが1位となりました。ソフトバンクモバイルの純増数は18万8900件に上り、2位KDDIも15万8500件の純増と堅調。一方でNTTドコモは2万2900件の純減でした。7月、8月は各キャリアともに大々的にキャンペーンを実施しました。「決める夏。」のau、「夏 2.0」のNTTドコモを抑えて躍進を続けるソフトバンク好調の要因は、果たしてどこにあるのでしょうか。パネリストの皆さんのお考えを聞かせてください。


  • 松村太郎
    松村太郎さん (ジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ)
     キャンペーンからすると、勝者であるソフトバンクのCMは地味だった。「ホワイト家族24」、つまりホワイトプランで家族登録をしておけば、家族間通話が24時間無料になる。これを押すCMばかり目立った。家族1人1台持ったとしても、1台あたり最低月額980円である。家族ユーザーへの訴求力はある。

     また今までX01HTの1機種だけだったが、スマートフォンを良心的な価格でラインアップしたことによって、法人ユーザー向けの伸びが大きくなったはずだ。これまでDoCoMo開拓し、そしてWillcomが通話定額とスマートフォンという新しい価値観を加えた法人ユーザー向けサービスを、ソフトバンクがさらに魅力的するよう取り組んでいる。

     DoCoMoが保っていた家族ユーザーと法人ユーザーを狙い打っているのが現状であり、その結果が8月までの夏の数字に表れている。

     とはいうものの、このままではソフトバンクの天下も続かない。家族ユーザー向けには料金以外に、他のキャリアより魅力的なサービスを打ち出しているわけではない。また法人ユーザーに訴求したスマートフォン、X01HTの通話品質は(僕のユーザーとしての経験も含め)非常に悪く、ビジネスでの通話利用には影を落としている。

     しかし秋・冬には東芝やhTcから新たなスマートフォンがアナウンスされているので端末の品質は改善されるだろう。またVodafone時代にやっていたLOVE定額をホワイトプラン向けに復活させる、といった個人ユーザー向けの施策だって残されている。クリスマスからバレンタインなどの、「LOVE」なシーズンが待っているので。

     次世代インフラに完全に移行するまでの時間に、いかにしてユーザー獲得をしていくかがポイントだ。地味にこつこつと、出来ることを全てやっていく道筋は、決して暗いモノではないと思う。
    2007-09-10 14:33:24

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