アップルの新型「MacBook Pro」、チップ構成で見る変更点

文:Brooke Crothers(Special to CNET News) 翻訳校正:編集部2010年04月14日 12時53分

 Appleが米国時間4月13日に発表した新しい「MacBook Pro」に搭載されているチップは、旧モデルから大幅に変更されている。その理由を以下で説明する。

 32ナノメートルプロセス技術:MacBook Proでは、Intelの「Intel Core i5」および「Intel Core i7」プロセッサを初めて採用している。これらのチップは、Intelによる最新の32ナノメートル製造プロセス技術で製造されている。一方、旧世代の「Intel Core 2 Duo」技術は45ナノメートルプロセスを採用している。一般に、製造プロセスが微細化されるほど、プロセッサの動作速度や電力効率は高くなる。

 Hyper-Threading:「Hyper-Threading」は、プロセッサが実行可能なタスク(スレッド)数を2倍に増やすことができる。従って、2コアのプロセッサは4つのスレッドを処理できる。この技術は、旧世代の「Core 2」チップでは提供されていない。Appleは同技術について、Hyper-Threadingが「各コアでの2つのスレッドの同時実行を可能にするため、Mac OS Xが2つのコアを4つの仮想コアとして認識します。複数のアプリケーションを同時に使用すると、Core i5、Core i7プロセッサがより多くのコアにタスクを均等に分散させる」と説明している。

 Turbo Boost:「Core i」シリーズのチップは「Turbo Boost」を使用する。これは処理能力や電力効率の要求に応じて、各コアの動作クロックを上下できる技術だ。Hyper-Threadingと同様に、Turbo Boostも旧世代のCore 2 Duoチップでは利用できない。Appleは同技術について、「プロセッサ負荷が大きいAperture 3やFinal Cut Proなどのアプリケーションを使用中により多くのパワーが必要になると、ターボブーストが片方または両方のコアを劇的に高速化して、2.66GHzの MacBook Proのパフォーマンスを3.33GHzにまで引き上げます」と説明している。換言すると、プロセッサは必要に応じて自動的に「オーバークロック」の状態になる。これまで、オーバークロックはハイエンドのゲームユーザーが主に利用していた技術だった。

 新しくなったNVIDIAのグラフィックスチップ:性能が向上した新しいNVIDIA製グラフィックスプロセッサがなければ、最新型のMacBook Proはどうなってしまうのだろうか。15インチおよび17インチのMacBook Proモデルには、ディスクリートグラフィックスプロセッサの「NVIDIA GeForce GT 330M」が内蔵されている。Appleは同グラフィックスプロセッサについて、「Macのノートブック史上最高速の」グラフィックスと呼んでいる。旧世代の「GeForce 9600M」ではプロセシングコアの数は32個だったが、GT 330Mでは、これが48個に増えている。Appleによれば、新しいGeForce GT 330Mは旧モデルに比べてエネルギー効率が最大で30%向上しているという。

 びっくり驚きのIntelの統合グラフィックス:かつてはAppleの存在にとって悩みの種と思われていたIntelの統合グラフィックスが復活した(Appleは第2世代の「MacBook Air」やアップデートされたMacBook Proから、Intelの統合グラフィックス技術をわざわざ除いていた)。Appleは今回、Intelの統合チップを「切り替え可能なグラフィックス」という形で提供している。高いパフォーマンスを要求される場合、MacBook Proは強力なNVIDIA製ディスクリートグラフィックスプロセッサを利用する。電力消費を抑えたいとき(すなわち、電力源がバッテリのみのとき)、MacBook Proは自動的に電力効率が高いIntelの統合グラフィックスに切り替わる。Appleは同技術について、「MacBook Proは、パワフルなディスクリートNVIDIA GeForce GT 330Mグラフィックプロセッサと統合型Intel HD Graphicsの間で、作業負荷をユーザが気づかないほどシームレスに移動させます。Aperture、Motion、 Final Cut Proなどのアプリケーションを使う時も、ネットサーフィンを楽しむ時も、MacBook Proが最適なプロセッサを自動的に選びます。ログアウトもシャットダウンも、環境設定の変更も必要ありません。すべて、グラフィックス自動切替機能にまかせましょう」と説明している。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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