FujiSankei Business i.
2008/11/20 11:07
ジェットコースターの走行技術を応用した省エネ型都市交通システムの実験線が東京大学生産技術研究所千葉実験所(千葉市稲毛区)に完成した。線路に設けた高低差を利用することで省エネ走行を行う。都市部の短距離交通システムとして4年後の実用化を目指す。
「エコライド」と名付けられた交通システムは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受け、遊園施設メーカーの泉陽興業(大阪市浪速区)と東大生産技研、三菱総合研究所など研究チームが2006年度から開発を進めている。実験線は約100メートルで高低差約3メートル。時速約20キロで走行する。
ジェットコースター技術を応用したエコライド。省エネ型都市交通として注目が集まる=千葉市稲毛区
遊園地のジェットコースターの技術を応用し、ワイヤで巻き上げることで登坂し、下り坂で加速、走行するのが特徴。ブレーキ時に発生する摩擦エネルギーを電力として回収し、平坦区間を走行する際に活用する。車両に駆動装置が搭載されていないことから小型軽量化がはかられ、走行エネルギーの大幅低減につながる。乗車率50%で乗客1人が1キロ移動する際にかかるエネルギー消費量はバスの3分1、鉄道の2分の1に相当する。1キロ当たりの建設費も20億〜25億円で、モノレールなどの5分の1程度に削減できるという。線路や駅舎などもコンパクト化でき、中央分離帯を利用して建設できることから用地手配が容易なのも利点だ。
エコライドは10キロ未満の短距離向け交通機関として検討されている。無人運転で時速20〜30キロ、最大勾配(こうばい)は7.4度。具体的には、幹線鉄道駅と住宅地、商業観光施設、病院など公共施設を結ぶものや大規模開発地内の循環、幹線鉄道駅と近接幹線鉄道駅結ぶ交通手段として活用の道を探る。
泉陽興業では「環境へのやさしさを売りに、乗り心地の向上や安全性実験を進めて、早期実用化を目指したい」としている。
2006年に開業し、予想を上回る利用客を集めた富山ライトレール(富山市)の成功を契機に、LRT(次世代型路面電車)の導入を検討する自治体が増えている。
交通渋滞解消や中心市街地活性化の切り札としての期待も大きく、エコライドの実用化に向けた追い風になりそうだ。

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