最終更新時刻:2009年7月10日(金) 20時21分

トヨタ「新世代」電池を開発 研究部新設、30年に実用化

FujiSankei Business i.

2008/06/12 10:52  

 トヨタ自動車は11日、地球温暖化防止に向けた二酸化炭素(CO2)排出量の削減を促進する行動計画を発表し、今後ハイブリッド車や電気自動車に搭載される現在のリチウムイオン(Li)電池よりも、さらに性能を大幅に向上させた「新世代電池」の研究・開発に着手することを打ち出した。6月下旬に電池研究部を新設し、2030年ごろの実用化を目指す。CO2削減の追加目標なども盛り込んでおり、環境重視の経営姿勢を一段と強化する。

 渡辺捷昭(かつあき)社長は同日開いた環境問題への取り組みに関する説明会で、「地球環境問題とエネルギー問題への対応なくして自動車の未来はない」と述べ、行動計画の狙いを説明した。

渡辺捷昭社長 トヨタ自動車が開発した「環境フォーラム」でプラグインハイブリッド車を披露する渡辺捷昭社長=11日午後、東京都江東区(AP)

 会見の中で最も強調したのが、未来のクルマの「心臓部」となる新世代電池だ。

 新設する電池研究部は、東富士研究所(静岡県裾野市)にまず50人の技術者で立ち上げ、2年後には100人体制に拡大する計画だ。

 新世代電池は、家庭で充電できる電気モーターとガソリンエンジン併用の「プラグインハイブリッド車(PHV)」や「電気自動車(EV)」などに搭載する。

 車載用の蓄電池は現時点でLiが最高の性能を持っている。だが、安定性やコスト面などの課題も多く、トヨタでは新世代電池として、基礎研究段階にある「全固体電池」や「金属空気電池」などの開発に自ら乗り出す考えだ。

 こうした新世代電池は貯えることができる電気エネルギー量がLi電池よりはるかに大きく、EVの弱点である走行距離を大きく飛躍させることができる。安定性やコスト面でも優れており、実用化されれば「すべてのクルマをEVに置き換えることも可能」(瀧本正民副社長)という。トヨタは国内外の研究機関や大学などと連携し、20年後をめどに一定の成果を上げたい考えだ。

 現行のLiについても、松下電器産業との共同出資会社「パナソニックEVエナジー」を通じ、10年から量産を開始することも表明。9年から少量で生産し、翌年発売するPHVへ搭載する。

 また、全世界で累計販売が100万台を超えた現行のハイブリッド車の「プリウス」に次ぐ新たな専用車を来年1月の米デトロイトモーターショーで発表することも明らかにした。トヨタブランドのほか、高級車ブランドの「レクサス」からも発売する見通しだ。

 このほか10年度に全世界の生産活動から排出する単位当たりのCO2を02年度実績比で35%削減する目標を新たに設定。従来の20%減の目標を前倒しで達成したため引き上げた。

 さらに、バイオ燃料車や燃料電池車などのエコカーの開発や環境負荷の少ない工場づくりなど、「全方位」でCO2排出量削減に取り組む姿勢を打ち出している。

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