FujiSankei Business i.
2008/04/28 10:20
音楽CDを上回る高音質な録音ができるICレコーダーが人気だ。当初はプロの音楽関係者が購入の中心だったが、趣味で音楽を楽しんだり、野鳥の鳴き声を集めたりと幅広い用途に利用され始めて購入層も拡大。とくに音声信号を圧縮しないで録音する「リニアPCM」と呼ばれるタイプが売れており、2月にはICレコーダー最大手のオリンパスが参入するなどメーカー間の競争が激化。“原音”を売り物にした新しい市場が創出されつつある。
≪新規参入続々≫
手のひらサイズのリニアPCMを先駆けたのは電子楽器メーカーのローランド。2004年に、大きさが文庫本程度の「R−1」を発売。本格機材を使ったような高音質が受け、新規需要を開拓した。
05年以降はソニー、三洋電機といった電機メーカーも進出し、現在は手ごろな価格を売り物にしてきた三洋電機が首位を独走する。
そこに、オリンパスのグループ会社、オリンパスイメージングが参入、CDを超える高音質の高機能機種「LS−10」を発売し、リニアPCM市場に新規参入した。価格は約5万円。ケンウッドも新製品「MGR−A7」を2月に約3万5000円で発売し、激戦模様となっている。
≪低価格で応戦≫
迎え撃つ三洋電機は、長時間録音が可能な普及モデルで応戦。世界最長の約22時間半連続の録音を可能にしたモデルなど3機種を今月18日に発売した。市場想定価格は約1万5000〜3万5000円と低めに設定。担当するDI商品部の横田十久雄担当部長は「高音質化も大事だが、長時間録音や小型軽量化などに力を入れて他社との差別化を図りたい」と意気込む。
調査会社のBCNによると、ICレコーダー全体に占めるリニアPCMの割合は、昨年3月には5・4%だったが、1年後の今年3月には8・6%に増加。まだ1割に満たないものの、「楽器演奏などをきれいな音で残したいというニーズは強く、市場は今後も伸びる」(オリンパス広報)見通しという。
小型のICレコーダーの国内市場規模は今年度にも100万台を超えると予測されている。これらに慣れ親しんだ層の買い替えも見込まれ、成長市場をめぐってさらに競争が激化しそうだ。
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【用語解説】リニアPCM
音声データに一切手を付けず、原音のまま録音できるICレコーダー。PCMはアナログ信号をデジタルデータに変換する方式の一つで、リニアとはデータを圧縮しないという意味。バイオリンの弦と弓がこすれる音や、歌手の息つぎの音など聞き逃しそうな音も忠実に記録するため、音に臨場感が生まれるとして人気を集めている。
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