最終更新時刻:2008年8月28日(木) 16時12分

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iPhoneはビジネスツールとしても人気は上々

文:Reuters
翻訳校正:佐藤卓、藤原聡美、福岡洋一

2007/12/11 08:00  

 ドイツの大手ソフトウェア企業SAPでシニアバイスプレジデントを務めるMike de la Cruz氏は、移動が多い企業戦士の最新の武器を見せびらかす。その武器とは、Appleの「iPhone」だ。

 携帯電話、音楽プレーヤー、ウェブブラウザが一体になったiPhoneは、一般消費者向け市場で大ヒット商品になったのに加え、ビジネスツールとしても地歩を固めつつあり、競合するResearch In Motion(RIM)の人気製品「BlackBerry」と肩を並べる日が来るかもしれない、とアナリストたちは述べている。

 Appleの製品はこれまで、ハイエンドの消費者に支持されてきたが、ビジネスの世界で広く利用されるようになったことはなかった。したがって、大手企業によるiPhoneの導入は、大きな前進と言えるかもしれない。

 de la Cruz氏は、12月第1週に業界会議に出席するため訪れたボストンで、「iPhoneは面白いし、とても人気がある」と語った。

 事実、企業におけるiPhoneの人気は上々で、SAPやSalesforce.comのようなソフトウェアメーカーや、もっと小規模な開発会社の多くが、営業や財務の各チームがオフィスを離れて仕事をするときにこれを持たせているほどだ。

 SAPは米国時間12月3日、これまでの前例を破り、次期バージョンの顧客関係管理(CRM)ソフトウェアでは、iPhone対応版をBlackBerryや「Palm」対応版より先に発売すると語った。

 理由はSAP自身の営業担当者がiPhoneは使いやすいとして対応版を強く要求しているからだと、SAPのCRMソフトウェア開発担当シニアバイスプレジデント、Bob Stutz氏は語った。

 「これは、必ずしもIT部門のためにiPhoneを配備するという話ではなく、むしろiPhoneを本当に使いたいと考えている人たちのための配備で、IT部門は非常に積極的に応えようとしている」と、市場調査会社Jupiter Researchのアナリスト、Michael Gartenberg氏は言う。

 しかしアナリストたちは、iPhoneが本格的に企業に食い込もうとするなら、対応すべき点がいくつかあると指摘する。中でも一番重要なのは、企業の電子メールのサポートを強化することだ。

 BlackBerryがビジネスの世界で欠かせない存在になったのは、電子メールを企業のネットワークから直接BlackBerryに転送できる機能のおかげだ。

 iPhoneの電子メールサービスも企業のシステムと連動するように設定できるが、すべてのメッセージをiPhoneに「プッシュ」配信する機能はない。連絡先とカレンダーも、携帯電話の電波を使った更新はできず、iPhoneをコンピュータに物理的に接続する必要がある。

 また、多くの企業が電子メール、連絡先、およびスケジュール管理にMicrosoftの「Outlook」を使用している。そのため、AppleはMicrosoftの技術を採り入れて、iPhoneを「Exchange Server」と連動させる必要があるだろう。Exchange Serverは、Outlookを支えているサーバソフトウェアだ。

 Appleが長年のライバルと協力するビジネス上の正当な理由を見つけたければ、最近の自社の出来事を振り返るだけでいい。

 「『iPod』が本当に売れ出したのはWindows対応になってからだった。したがって、iPhoneをWindowsの電子メール、つまりOutlookに対応させれば、売り上げは間違いなく伸びるだろう」と、American Technology ResearchのアナリストShaw Wu氏は言う。

 だが、iPhoneを採用する企業を増やす障害となるのは、電子メールだけではない。

 アナリストたちの指摘によれば、潜在的なビジネスユーザーの中には、今より高速なインターネット接続が可能な新しい携帯電話技術を搭載したモデルが出るまで、購入を控えている人たちがいるという。米国最大手の通信事業者AT&Tは11月末、高速インターネット接続が可能なiPhoneが2008年に登場するだろうと述べた。

 また、90%を超えるiPhoneユーザーが満足しているとする調査結果が出る一方、一部の企業幹部たちは、ニューヨークで11月26日から29日まで開催されたReuters主催の「Media Summit」など、公の場所で不満を表明している。iPhoneのタッチスクリーンで長文の電子メールをタップしながら読むのは、非常にわずらわしいというのだ。

 Appleは、6月末にリリースしたiPhoneを、9月29日締めの第4四半期に112万台販売した。一方のRIMは、9月1日締めの第2四半期に300万台以上のBlackBerryを販売している。

 iPhoneを買ったのはほとんどが企業以外のユーザーだが、AppleはiPhoneがビジネスに最適だとしている。

 「これまで何度も述べたように、われわれは多くの企業に最適なソリューションをiPhoneで提供している。iPhoneを購入し、非常に喜んで使っている企業があるのは間違いない事実だ」と、Appleの最高業務責任者(COO)Tim Cook氏は10月に述べている。

 Appleの広報担当者は今後のiPhoneの計画について説明することを拒み、非常に多くのソフトウェアメーカーから関心が寄せられていることに満足している、としか語っていない。

 だが、Appleを追跡調査しているアナリストたちは、キーボード付きのiPhoneか、スクリーンに触れた瞬間に本体が振動し、本物のキーを押したような感覚を再現する技術を採り入れたiPhoneがいずれリリースされるかもしれないと予測する。

 「こうした機能が統合されれば、iPhoneは競合他社にとって非常に手ごわい相手となるだろう」と、Wu氏は語った。

この記事はReutersのニュースを契約の下、シーネットネットワークスジャパン編集部が編集したものです。海外Reutersの記事へ

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