最終更新時刻:2009年7月10日(金) 7時45分

ゲーム市場“三つ巴”も 「PS3」「Xbox360」が巻き返しへ 快走続く「Wii」など追撃

FujiSankei Business i.

2007/11/28 10:35  

 「DS」「Wii」で任天堂が快走を続けるゲーム市場だが、「プレイステーション3」のソニー・コンピュータエンタテインメント、「Xbox360」のマイクロソフトも負けてはいない。年末に向けて大型タイトルを投入したり、新作ソフトの開発体制を整えるなど巻き返し策を展開。三つ巴の戦いに戻そうと懸命だ。(谷口隆一)

 19日夜、都内有数のコンサートホール「Bunkamuraオーチャードホール」(東京都渋谷区)に2000人近いゲームファンが集まった。行われたのは、家庭用ゲーム機「Xbox360」向けタイトルで、12月6日に発売される「ロストオデッセイ」の完成披露イベント。RPG(ロールプレイング)の人気作「ファイナルファンタジー」を生み出した坂口博信氏が、独立して創業したミストウォーカーが「Xbox360」向けに送り出す2本目のソフトだ。

 「3年半かけて開発している途中に、チームが崩壊する危機もあった」と振り返る坂口氏。乗り越えてきたハードルも多かっただけに、作品への愛着はひと一倍だったもよう。「デバッグの間に100回、150回とプレーしていると、いろいろなところで胸をつかまれるような気持ちになる」と感動を話す。

 心を動かすのは完成の喜びだけではない。ゲーム内で主人公が回想する短いドラマでシナリオを担当したのは、直木賞作家の重松清氏。日本を舞台に、家族や子供をテーマにした人間味あふれる物語で定評のある作家が、「クリエーターとして尊敬している」(重松氏)という坂口氏のたっての希望で参加を決めた。

 キャラクターデザインは、日本にバスケットボール旋風を巻き起こした「スラムダンク」の井上雄彦氏。鋭さを持った主人公の絵をパソコン画面に入れて、重松さんは物語を書き継いだ。メーンシナリオは坂口氏が担当。「壮大さを持つ坂口さんの描く“命”と、ぼくのささやかな“命”を組み合わせると奥行きが出てくる」(重松氏)。こうして生まれたドラマを豊川悦司さん、豊原功補さん、上原多香子さんが声優として支える。

 ≪北米で互角の人気≫

 発売から2年たつ「Xbox360」は、高画質を楽しめるゲームとして、北米では1年遅れて登場した「プレイステーション3」と互角の人気を争う。遊び方に特徴を持たせた「Wii」とは違った市場を維持。日本ではエンターブレイン調べで9月末までの累計販売台数は45万台にとどまり、10カ月で121万台まで上積みした「PS3」に追い抜かれた。ただここに来て、「Xbox360」の海外での好調ぶりを見て、ソフト会社が「Xbox360」向けに大型タイトルを投入するケースが増えている。

 バンダイナムコゲームスは「PS3」向けで30万本近く売った「ガンダム無双」を12月27日に「Xbox360」向けにも投入。フライトシューティングの定番「エースコンバット」の最新作は「Xbox360」対応だけの発売になった。11月1日にはマイクロソフトが「Xbox360」の価格引き下げを実施。年末商戦での浮上に期待がかかる。

 値下げでは「PS3」も今秋に内外で実施した。日本では10月17日に発売時から、ある機種が5000円下がり、11月11日には39800円の廉価版も登場。海外では値下げによって販売台数が3倍に伸びる効果が出ており、国内市場でも「PS3」への関心が高まっている。肝心のタイトルでも、12月13日にレースゲームの「グランツーリスモ5 プロローグ」を発売。世界累計で4700万本の生産出荷を誇る人気ゲームの最新版は、11月11日まで開かれた「東京モーターショー」の会場にも展示され、目の肥えたモーターファンから好評を博した。

 ≪高解像で本領発揮≫

 19日には「PS3」向けタイトルの開発を支援する体制を強化したと発表。「PS3」では「ハードの解析やツール類の分析に手間がかかった」(鵜之澤伸・バンダイナムコゲームス副社長)ことがタイトル供給のネックになっていたが、環境整備によって興味を持つソフト会社が増えれば、値下げと相まって浮上へと向かいそう。エンターブレインの浜村弘一社長は「『PS3』の本領が発揮されるのはハイデフ(高解像度)テレビを使ったとき。その高画質ぶりを一度見ると、以前には戻れない」と話す。潜在的な能力の高さで巻き返しに臨む。

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