Intelは、デスクトップパソコンの消費電力を抑え、企業や個人ユーザーが毎月の電気代を節約するのに役立てようとしている。
同社は26日(米国時間)、デスクトップPC用電力供給ユニットの大手メーカー4社が、Intelが開発したATX 12V Power Supply Design Guideに準拠する契約を結んだことを明らかにした。ATX 12V Power Supply Design Guideは、電源コンセントからパソコンへ効率よく電力を供給するコンポーネントの設計図だ。Intelでは、このガイドラインに準拠することで、メーカーはデスクトップマシンの消費電力を最大25%も削減できるとしている。
「我々の簡単な試算では、電力供給の無駄はシステム全体の電力の約4分の1にも及んでいる」と、Intelのテクノロジーおよび製造グループで製品エコロジープログラムのマネージャーを務めるTodd Bradyは述べている。
Bradyによると、デスクトップPCの電力供給ユニットは、他のコンポーネントに供給するのとほぼ同量の電力を無駄にする場合もあるという。たとえば電子メール送信や文書作成などの軽いタスクを処理しているときなど、デスクトップマシンがフルに利用されていない場合には、電力供給の効率は50%未満であることが、Intelの研究者らが行なったテストで明らかになった、とBradyは説明している。こうした無駄な電力のほとんどが、熱に変わってしまう。
Intelの新設計ガイドラインでは、メーカーに対して、電力需要が20%の場合の電力供給効率を、50%未満から60%に向上させるよう求めている。50%以上の電力需要がある場合には、70%の効率で稼働することが求められている。
無駄な電力を25%削減すれば、デスクトップPCの消費電力を最大50ワットも減らすことが可能になる。これは、まる1日照明をつけた場合の電力に相当する。通常、デスクトップパソコンとCRT(ブラウン管)モニタをあわせると、消費電力は約150〜200ワットにのぼる。
こうした無駄をなくすことは、特に多数のデスクトップを使用している企業では、大きな経費の削減につながるだろう。Intelのガイドラインに準拠した電力供給ユニットは、当初は若干割高かもしれない--ミドルレンジの300ワットの電力供給ユニットで、旧式のものより5〜6ドル割高になる--が、パソコン1台あたり年間約17ドル相当の電気代を節約できるので、このコストは埋め合わせられるはずだ、とBradyは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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