米エヌビディアにベンチマークテストの不正操作疑惑が浮上

 Futuremarkは23日(米国時間)、グラフィックチップ最大手のnVIDIAが同社の新型チップ「GeForce FX 5900」の起動ソフトに細工を施し、Futuremarkのベンチマークソフト「3DMark 03」を使ったベンチマークテストで不当に高い点数が出るようにした、との声明を発表した。Futuremarkはパーソナルコンピュータ(PC)向けベンチマークテスト・ソフト/サービスを提供する大手独立系プロバイダ。

 Futuremarkによると、nVIDIAの新型チップ用ドライバに、ベンチマークソフトの動作特性を検知し、動作を自由に調整できるよう修正が加えられていたという。

 「最近3DMark 03を使ったnVIDIA製品のテストで、混乱を招いたり疑問を抱かせるような結果が相次いだ」とFuturemarkは声明の中で述べた。「nVIDIA のDetonator FXドライバに、ある検知メカニズムが含まれており、それにより3DMark 03を使ったテストで高得点が出るよう人為的操作が行われていたのは明らかだ」(Futuremark)

 これに対し、nVIDIA側はFuturemarkの出した結論の妥当性を疑問視している。同社の代表は「(Futuremarkが)何を行ったかは分からないが、我々の製品を粗悪品に仕立てるためのシナリオをでっち上げようとしたのではないか」と語った。

 nVIDIAはライバルのATI Technologies と、PC用グラフィックプロセッサの性能で首位の座を激しく争っている。過去にnVIDIAがシェア・性能ともに首位を独占していた時期がしばらく続いたが、昨年ATIがRadeonチップの最新版を発売し、動作速度で業界トップに踊り出た。チップの製造過程に支障が生じた影響で発売延期を余儀なくされたnVIDIAだが、その問題もすでに解消しており、今年はGeForce FX 5900で性能面での首位奪還を狙っている。

 チップ市場専門の調査会社Mercury ResearchのアナリストDean McCarronは、ベンチマークテストの結果は確かに自社製チップの最高動作速度を世間にアピールしたいと考えるグラフィックチップメーカーにとっては価値のあるものだが、高性能グラフィックチップの主要顧客である熱烈なPCゲームプレーヤーにとってはほとんど意味のないものだ、と語る。

 「ゲーム市場の顧客たちは技術や事情に非常に精通している。彼らは現実世界の結果、すなわち彼らがプレーしたいと考えているゲームでチップがどのように動作するかしか見ていない。Futuremarkが行っているようなベンチマークテストの結果を気にするのは、ゲーム市場の事情に疎い素人だけだ」(McCarron)

 McCarronによると、PC業界ではベンチマークテストの操作は決して珍しくないという。「よく使用するアプリケーションを選んで、誰がテストを行ったかを確認するのが最善の方法だろう」(McCarron)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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