Apple Computerが、IntelのチップをMacに採用するとの決断を下したことに対するベンダー各社の反応は2つに分かれており、一部には喝采を送るところがある一方、この動きに嘲笑する声も上がっている。
Apple最高経営責任者(CEO)のSteve Jobsは、米国時間6日に行ったWWDCの基調講演のなかで、大規模なプラットホームの変更は有益なだけでなく、Appleの成功に不可欠であると開発者に説明したが、これに対して、Intel CEOのPaul Otellini、Adobe CEOのBruce Chizen、およびMicrosoftのMacintosh Business Unitでゼネラルマネージャーを務めるRoz Hoらは、いっせいにコメントを寄せた。
「ずいぶん時間がかかったものだ」とChizenは皮肉を込めて語りつつ、しかしAppleあってのAdobeだと付け加えた。同氏はまた、Mac版Photoshopを含む「Adobe Creative Suite」の今後について、PowerPCとIntelプロセッサの両方をサポートするバージョンを開発する計画があることを発表した。
Appleは、2007年末を目標に、すべてのMacに搭載するプロセッサを、IBMとFreescale Semiconductorが供給するPowerPCから、Intelチップに徐々に移行することを発表した。
MicrosoftのHoは、同社が「Xcode」と呼ばれる開発ツールをAppleと共同で開発中であること、そしてAppleのユーザベースをサポートする同社製品の統一的なバイナリの作成を計画していることを明らかにした。Microsoftはまた、AppleとIntelの新しい協力関係に基づいて、「Microsoft Exchange Server」が持つ機能の多くをMacプラットホームにも提供できるようになると見込んでいる。
一方、すべてがバラ色とならなかったのはAMDだ。最大のライバル企業がMac環境の再編に関わる契約を獲得したことについて、AMDでは複雑な反応を示している。
AMDの広報担当者は、今回の動きについて、「Appleが、今後のMacintoshの基盤として64ビットのx86コンピューティングソリューションを選んだことが、これで証明された」と述べ、さらに「Appleは最良の選択をしたとはいえない」と付け加えている。
「われわれは、Appleの顧客に対して最も革新的なプロセッサソリューションを提供する機会を歓迎するだろう」とAMDは述べた。AMDが選考対象にならなかった理由については、このAMD広報担当者からも、Apple幹部からもコメントを得ることはできなかった。
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