これに対して、iPhoneはiPodと同様、コンピュータと同期する必要がある。Cingularの広報担当者によれば、ユーザーの大半はいずれにしても、楽曲をサイドロードする、すなわち自分のコンピュータから携帯電話に転送するという。そのためこの広報担当者は、携帯電話ネットワークから直接ダウンロードできないということが大きな問題になるとは考えていない。とはいえ、Cingularは今後、加入者が音楽再生の可能なほかの携帯電話で、3Gネットワークを使い楽曲をダウンロードすることができるようにする計画だ。なお、iPhoneはCingularのEDGEネットワークという、データ転送速度の低いネットワークを使用している。
CingularはiPhoneのおかげで加入者を新たに獲得することになるだろうが、最終的には同社やそのほかの携帯電話キャリアは、加入者が携帯電話ネットワークを使って音楽やビデオをマルチメディア対応の携帯電話にダウンロードすることで収益を伸ばすことだろう。
実際、携帯電話キャリアとしてこの機能を提供しているのはVerizonとSprintの2社だけであり、両社ともワイヤレスネットワークを利用したダウンロードに対してプレミアム料金を課金している。iTunesでは、コンピュータに楽曲を1曲ダウンロードするごとに99セントが課金されるのに対して、携帯電話に1曲ダウンロードするごとにSprintの場合には2.50ドルが、そしてVerizonの場合には1.99ドルが課金される。
さらに、Sprintの顧客はネットワークへのアクセスに対して別途課金される。Sprintは顧客に対して、1曲当たり2.50ドルでダウンロードすることのできる3つのデータプランから1つを選んで契約するよう勧めている。3つのプランはそれぞれ、毎月15ドル、20ドル、25ドルのいずれかを支払うようになっている。20ドルのプランでは、毎月1曲を無料でダウンロードできるようになっている。また、25ドルのプランでは、毎月4曲を無料でダウンロードできるようになっている。それ以上ダウンロードする場合には、1曲当たり2.50ドルを支払う必要がある。
これに対してVerizonは、その価格体系を見直し、1曲当たり1.99ドルという料金に加え、楽曲のダウンロードにかかる分数(30秒から1分の間)に対して課金するようにした。
今のところ、SprintとVerizonはiPhoneによる脅威を重要視していないようである。
Verizon Wirelessの広報担当者Jeffrey Nelson氏は「われわれは、iPhoneが本当にできることを確かめる必要がある」と述べ、「例えば、本当に電話をかけることができるのかということもだ」と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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