人気のロボット掃除機「Roomba」のライバル製品が開発中

文:Michael Kanellos(CNET News.com) 翻訳校正:佐藤卓、福岡洋一2006年10月23日 21時33分

 Evolution Robotics(本社:カリフォルニア州パサデナ)が大手家電メーカーとロボット掃除機の共同開発に取り組んでいることを、同社の社長兼最高技術責任者(CTO)Paolo Pirjanian氏が明らかにした。この発表は、サンノゼで米国時間10月17日から18日まで開かれたカンファレンス「Emerging Ventures 2006」で行われた。このロボットが発売されれば、iRobotの人気ロボット掃除機「Roomba」の競合製品となる。

 ロボット掃除機を発売した企業は他にもあるが、これまではRoombaの一人勝ち状態で、出荷台数は2002年以来200万台を超えている。

 Evolution RoboticsのロボットがこのRoombaと異なる点は、Roombaより優れた位置検出装置が搭載され、ナビゲーションの精度がよくなることだとPirjanian氏は言う。同社は「NorthStar」と呼ばれるナビゲーションシステムを開発しており、この技術はSharper Imageの「e Vac」など他のロボット掃除機に採用されているとのことだ。

 このナビゲーションシステムは、コンセントに差し込んだ機器を使用して、赤外線を天井に照射し、複数の赤外線スポットを作る。ロボットにはこのスポットを検知するセンサーが取り付けられる。そのため、利用者がそのロボットを持ち上げて向きを変えても、ロボットは赤外線スポットの情報を利用して自分で元の方向に戻ることができる。

 Roombaや類似製品のロボット掃除機は、ロボット自体が壁や障害物を検知しながら進んでいく。そのため、ロボットを持ち上げてからまた動かそうとすると、もう一度ロボットにその場所を把握させる必要がある。

 ただしiRobotは、Roombaに搭載しているナビゲーションシステムの強化を示唆している。同社はこれまで、コンピュータビジョン技術を専門とするTyzxと共同で、他のプロジェクトに取り組んできている。

 Evolution Roboticsは、iRobotとは異なるビジネスモデルを採っている。それは、完成品のロボットを作るのではなく、部品や試作品、ソフトウェアなどを開発して、ロボットを作って売り出したいと考える既存の企業に販売するというものだ。同社のマシンビジョン技術は、すでに販売を終了したソニーの「AIBO」に組み込まれていた。また、同社のビジョンシステムとナビゲーションシステムは、WowWeeの人気ロボット玩具シリーズに欠かせないものとなっている。WowWeeの「Robosapien」は市場で最も人気の高いロボット玩具の1つだと、Evolution RoboticsのPirjanian氏は言う。

 Evolution Roboticのビジョンシステムは携帯電話にも組み込まれている。このマシンビジョンシステムを利用すると、カメラ付き携帯電話で撮った写真を3D画像に変換し、携帯電話から検索エンジンで調べることによって、被写体の詳細な情報が入手できる。たとえば、建物の写真を撮ると携帯電話がインターネットで検索し、その建物の名前を教えてくれたりするわけだ。

 Evolution Roboticsと家電メーカーが共同開発するこのロボット掃除機は、2008年初め頃に発売される見込みだと、Pirjanian氏は述べた。このロボットに関する契約は最近結ばれたところだという。

 Evolution Roboticsは、Bill Gross氏が創設したインキュベーター、Idealabの子会社として設立された企業だ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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