インフォテリア、ソーシャルカレンダーソフト「c2talk」の提供を開始

坂和敏(編集部)2006年08月14日 11時37分

 インフォテリアは、さまざまな情報をカレンダー上で管理できるソフトウェア「c2talk」を開発し、8月14日にベータ版の配布を正式に開始した。

 同社が「ソーシャルカレンダーソフト」と呼ぶc2talkは、通常の「カレンダー(Calendar)」に「コラボレーション(Collaboration)」の要素をミックスしたもので、自分の仕事関連やプライベートのスケジュールだけでなく、ウェブ上にあるさまざまな情報を取り込んで表示できるのが特徴だ。c2talkのクライアントソフト(WindowsおよびMac版)は、インフォテリアの専用サイト「c2talk.net」から無料でダウンロードできる(なお、利用にあたっては、c2talk.netに自分のメールアカウントをつくる必要がある)。

 まず、c2talkのカレンダー機能については、Microsoftの「Outlook」などから仕事のスケジュールを取り込めるほか、Apple Computerの「iCal」やGoogle Calendarでも使われているiCal形式(.ics)のデータ(「Webcal」)、ブログなどの更新情報伝達に使われるRSSフィード、さらには独自にJavaScriptを書くことでHTMLやXMLで書かれた情報を取り込んで表示させることが可能になっている。

 すでに、c2talk.netのカレンダーギャラリーでは、天気予報や星占い、TSUTAYA onlineやamazon.co.jpでの新作発売情報、日経平均株価、新規株式公開情報など、多数のWebcalが公開されている。またユーザー側で独自のWebcalデータを作成し、特定の相手に公開したり、c2talk.netにアップロードして不特定多数の相手に公開することもできる。

 一方、コラボレーション機能については、同社の開発した「c2アプリ」ベースのスケジュール調整アプリ(「ColCal」)を使い、特定のグループへの参加者間で時間調整を簡単に行え、決定したイベントについてはメンバーのカレンダー(クライアントソフト上)に取り込むことができるようになっている。具体的には、たとえばc2talk.netで公開されている各地の花火大会やコンサートのイベント情報を参照しながら、友だち同士で参加の可否や待ち合わせの時間を決める、といった行為がシームレスにできるようになる。なお、c2アプリのデータはメールプロトコルを使ってやりとりされるが、この通信データやローカルのハードディスクに保存されるデータを暗号化することも可能で、情報漏洩のリスクが回避できるようになっている。

 インフォテリアでは、c2talkに関連するビジネスモデルとして、当初はオンラインストアのアフィリエイト収入を想定。そのため、すでに「Tsutaya Online」のCD、DVD、ゲーム発売日のデータ(JavaScriptを利用して取り込み)やamazon.co.jpのデータ(公開APIを利用)を参照できるWebCalを公開している。また、同社は今後、各企業からのカスタマイズ版作成の需要にも対応していきたいとしている。

 ソーシャルな要素を持つアプリケーションというと、通常はウェブサービスを想定しがちだが、c2talkをクライアントソフトベースのサービスとした理由について、開発を担当したインフォテリアの甲斐淳仁氏は、ネットに接続していない時にも利用できるクライアントソフトの利便性のほか、「カレンダーはセンシティブな情報を扱うこともあり、すべての情報がウェブ上にあるのが好ましいわけではないと考えた」と説明している。

 なお、c2アプリは3年ほど前からインフォテリアが研究開発を続けてきていたもので、c2talkはこの技術を盛り込んだ第1弾となる。これまで主にエンタープライズ分野で、XML技術をベースとしたソフトウェア開発およびソリューションの提供を行ってきたインフォテリアが、一般向けのソフトウェアを出すのは今回が初めてだが、この点に関して同社代表取締役社長の平野洋一郎氏は、「高い柔軟性を持つc2アプリを利用して、今後さまざまな『つなぐ』仕組みを提供していきたい」との抱負を語った。

c2talk 画面 c2talkの画面

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