バーチャルワールドでの「エイジプレイ」、妥当性問われる

文:Daniel Terdiman(CNET News.com) 翻訳校正:尾本香里(編集部)2006年04月13日 12時11分

 ますます人気が高まる成人向けバーチャルワールド「Second Life」のなかでは、プレーヤーは熊であろうと小妖精であろうと、自分が想像する通り、何にでもなりすますことができる。

 しかしこの開放的な「Second Life」コミュニティの中にも、許容範囲というものがある。同サイトの大ファンであっても、いわゆる「エイジプレー」には当惑している人々がいる。このロールプレーには様々な形がある。当り障りのない家族を演じるものもあれば、2人の成人が性的なロールプレーに興じ、アバターの一方が子供役を演じているというような厄介なものもある。

 「Second Life」の作り手であるLinden Labは、同社のバーチャルワールドでエイジプレーが行われていることを認識しているが、それが最も厄介な形でどの程度行われているのかについては定かでない。このゲームのフォーラムでは、頻繁にエイジプレーの妥当性について激しく議論されているが、CNET News.comの取材に応じた人々はいずれも、実際にあからさまに小児性愛的な行為を如実に演じている現場を目撃したことはないと述べている。

 またたとえ目撃されていたとしても、法律の専門家によれば、そのような成人同士の行為は、法律に違反しそうにはないという。実際の子供が関わっていないからである。

 「児童ポルノグラフィ関連の法制度の下では、それは(違法には)ならない。その行為に実際の子供が関与してないからである」とエール大学のJack Balkin教授は述べている。Balkin教授は憲法学とバーチャルワールドを取り巻く法的問題の専門家である。「児童ポルノグラフィ関連法は、米国憲法修正第1条(表現の自由の条項)について特別な扱いを受ける。児童は性的に虐待され、その結果が不正に取引されるためである」。しかしこれはエイジプレーの状況には該当しないと同教授は言う。

 違法、合法に関わらず、多くのプレーヤーの感情を容易に害するようなバーチャルロールプレーングは、Linden Labのクリエーターらを微妙な立場に置くことになる。実際どの法律にも違反することがなさそうな場合、彼らは果たして倫理性を法制化するように試みるであろうか。それとも、閉ざされたバーチャルドアの背後では人々の望むままにさせるであろうか。

 Second Lifeでは、全てのプレーヤーが成人であることが要件となっており、未成年と判明した場合には誰であれ削除する措置がとられる。ティーンエージャー向けには別のグリッドが提供されている。また、Linden Labでは、実際の子供の権利を侵害したり、悪事をはたらいたりする行為は断固として許さないと断言している。

 Linden Labでコミュニティ開発担当バイスプレジデントを務めるRobin Harper氏は、Second Lifeの公式フォーラムに「児童ポルノグラフィなど、実在する子供に対する犯罪が行われている証拠がつかめた場合…われわれは児童を保護するために行動し、当局に届け出る意向だ。児童の権利侵害が認められた場合、これに関わったユーザーのアクセスを禁止する」とつづっている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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