米ベンチャー企業、IDFでノートPC向け燃料電池を展示

Michael Kanellos (CNET News.com)2005年03月03日 19時41分

 サンフランシスコ発--当地で開催中のIntel Developer Forum(IDF)で、数多くの企業が携帯電話やMP3プレイヤー向けの燃料電池を展示するなかで、ニュージャージーのある企業はノートPC向けの燃料電池を公開していた。

 Millennium Cellというこの会社は、ノートPCを連続8時間起動できるという燃料電池をIDFで展示していた。同社は2007年までにノートPCメーカー向けに燃料電池を製造することを目標にしている。

 燃料電池は、メタノールのような燃料と酸素との化学反応から電気を起こす小型の装置。他の燃料電池の大半とは異なり、Millennium Cellが展示していたものはメタノールを利用する代わりに、金属と水素の混合物(プロトタイプではナトリウム水素化物)から水素を抽出して使う。メタノールは、水素を使用した場合と比べてを発電量が少なく、多くの開発者が消費電力の少ないMP3プレイヤーのような端末向けに燃料電池を開発する理由はそこにあるが、ただしメタノールをつかったほうが保存が簡単だという長所がある。

 Millennium Cellは、3インチ×5インチ×1インチのプラスティック製の箱を利用することで水素抽出と格納の問題を解決した。この箱の中で金属と水素の混合物から水素への変換が行われる。この電源ユニットは現時点では外付けだが、いずれはノートPC本体に組み込まれることになる。

 水素はノートPCの画面の後ろに取り付けられた大きな薄膜(メンブレイン)に本体に送られる。この薄膜が電気を起こし、また副産物として水が残る(電源ユニットには化学反応で生じた金属の残留物が残る)

 Millennium Cellの製品管理ディレクター、Greg Smithは「ポンプや送風装置は必要ない」と説明する。この燃料電池は現在、常時20ワット、最大25ワットの電力を供給でき、薄型のノートPCを動かすのには十分だという。Millennium Cellは先ごろDow Chemicalと提携し、共同で製品開発を進めると発表している。

 この電源が商品化された際には、消費者は金属と水素の混合物を含む取替えカートリッジを購入することになる。さらに、使用後ナトリウム残留物が残ったこの燃料電池はガラス繊維に再生可能だとSmithは付け加えた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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