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「知名度が課題」--日本市場開拓を狙う文字入力予測変換ソフト「T9」

2005/01/26 12:50
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 高機能化が進んだ携帯電話。200万画素級のカメラやQVGA液晶が一般化し、端末の差別化を図ることが難しくなっている。このようななかで、文字入力方式が新たな差別化要素になると話す人物がいる。来日したTegic Communicationsマーケティング・コミュニケーション・マネージャーのバイオレット・ホワン氏に話を聞いた。

 Tegic CommunicationsはAmerica Onlineの子会社で、文字入力予測変換ソフト「T9テキストインプット」の開発・販売を行っている。T9はシングルタップと呼ばれる予測変換機能を備え、入力したい文字列をすばやく入力できる点が特徴だ。

T9の最新版「T9ダイレクト」を利用した文字変換画面。1、6、8、1を1回ずつ押すと変換候補が表示される

 現在一般的に携帯電話で採用されているのはマルチタップ方式と呼ばれるもので、数字キーにひらがなの五十音の行を割り当て、1つのキーを複数回押すことで目的のかなを入力する。これに対しシングルタップ方式は、数字キーを1回押すだけで変換候補を表示する。例えば「おはよう」という単語を打つ場合、マルチタップ方式であれば1を5回、6を1回、8を3回、1を3回押す必要があるが、シングルタップ方式は1、6、8、1を1回ずつ押せば変換候補が表示され、入力が完了する。

 T9は入力されたキーに対して最も頻繁に使われる文節を見つけて変換候補を見つけるほか、辞書に登録されていない単語を自動的に学習する自動ユーザー辞書登録機能も備える。「T9は単なるソフトウェアというよりも、人間の知能が入っていると考えてほしい」(ホワン氏)

 45カ国語に対応しており、Tegicによれば現在世界で販売されている携帯電話端末のうち800以上のモデルにT9が搭載されているという。「1年間に世界中で製造されている携帯電話の90%以上を占める」(同社)

T9を利用するには文字入力方式を変更する必要がある。画像はNTTドコモのN506iの変換画面

 ただし、日本国内での採用数は決して多くない。現在日本語版のT9を採用しているのは、NEC、パナソニック モバイルコミュニケーションズ、ソニー・エリクソンモバイルコミュニケーションズの3社のみ。さらにT9を利用するには端末上で文字入力方式を変更する必要があること、各ベンダーがT9を搭載していることを積極的にアピールしていないことから、T9の存在を知らずに端末を使っているユーザーは多い。今後は通信事業者やベンダーと組んで、認知度を高めるためのマーケティングを行いたいという。

 「簡単な文字入力システムは通信事業者にも端末メーカーにもメリットをもたらす」とホワン氏は訴える。同社が中国で行った調査によると、T9の利用者は一般の利用者よりもメッセージの送信数が多いという。「入力が簡単に速くできるため、たくさんメッセージを送信できる。送信データ量が多いというのは通信事業者にとって大きなメリットだ」(ホワン氏)

 端末メーカーから見れば、シングルタップ方式を導入することで差別化を進め、顧客の囲い込みを図れるとホワン氏は言う。同社の調査によれば、シングルタップ方式を使ったことのあるユーザーのうち、65.4%が1文字ずつ打つよりも断然速いと回答しており、なくてはならない機能だと考えるユーザーは36.2%にのぼる。「一度シングルタップ方式を知れば、気に入って次からも同じブランドの端末を使いたいと思うようになるだろう」(ホワン氏)

 Tegicは携帯電話以外の市場への進出も狙っているようだ。「例えばMP3プレイヤーの容量が拡大していけば、たくさんある曲の中から聞きたいものを探すのが難しくなり、文字を入力して検索するようになるだろう。また、インターネットにつながるセットトップボックス(STB)やテレビへの取り組みが活発化すれば、ここにも文字入力が求められてくる」(ホワン氏)。今後は研究開発を進め、デジタル家電にT9を応用していきたいとした。

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