BCN総研発表、家庭内無線LANは着実に普及、しかしその利用は発展途上

 BCN(奥田 喜久男社長)の市場調査部門であるBCN総研は、家庭内無線LANの普及実態と屋外利用に対する意識についての調査レポートをまとめた。その結果、無線LANの販売は「アクセスポイント+LANカード」のセット商品を中心に安定した需要を維持しながら推移し、ノートPCにおける無線LAN機能の搭載比率も高まるなど、着実に普及してきているものの、利用についてはは発展途上であることがわかった。

 「BCNランキング」をもとに、03年8月の販売台数を100とした指数でこの1年間の無線LANの販売動向(図1)を見ると、「アクセスポイント」単体は停滞傾向にあるが、「LANカード」と「アクセスポイント+LANカード」のセット商品については、変動をともないながらもプラス成長を続けている。

 また、PCの無線LAN機能搭載率の推移をみると、デスクトップPCでは1%未満の状況が続いているが、ノートPCでは着実に高まっている(図2)。ノートPCでの搭載率は03年9月は21.5%だったが、04年6月には45.6%にまで達した。

 一方、LAN対応機器の利用実態に関するアンケート調査では、家庭内の利用については、「無線LAN/無線と有線の併用」が24.2%、「有線LANを利用」が33.1%で、合わせて57.3%がLANの利用者だった(図3)。LAN利用者だけに限ってみると、無線利用者は42.2%で、有線が5割を超えた。家庭内LAN構築は、まだ有線LANが中心であることがうかがえる。

 さらに、自宅に無線LAN環境を構築しているユーザーを対象に、喫茶店やホテルなどの施設に導入が進むホットスポットやフリースポットなど屋外スポットの認知を聞いた。その結果、「知っている」という回答は84.3%で、認知率は高かった(図4-1)。しかし認知しているユーザーに利用経験を聞いたところ、利用経験が「ある」という回答は14.8%で、大半が利用したことがないという結果となった(図4-2)。

 屋外スポットの存在を認知しつつも利用経験のないユーザーは、その理由として「屋外利用の必要性がないから」(54.0%)、「近隣にスポットがないから」(50.5%)が突出した。スポット数拡大が屋外利用を促進するうえでの課題となっているようだ。

 BCN総研では、「無線LAN対応機器は普及しつつあるが、屋外での利用環境の整備など課題は多く、発展途上にあるといえる」と分析している。

 なお、同調査レポートは、「INDICATOR Plus 10月号」のNo.2「家庭内無線LANの普及実態と屋外利用に対する意識調査−屋外利用の実態とセキュリティ対策の必要性を検証−」として販売している。価格は15万7500円。問い合わせ・ 申し込みは、TEL:03-4236-5200、E-mail:order@bcn.co.jp。

「図などBCN総研調査の詳細」
「INDICATOR Plus」
BCN
「週刊BCN」

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