「Doom 3」発売に--ハードウェアのアップグレードで懐具合も「破滅」か

Richard Shim (CNET News.com)2004年08月04日 12時38分

 「Doom」や「Half-Life」といった人気ゲームの最新版が登場したことで、PCユーザーは、高い性能を要求するこれらのプログラムに合わせて、ハードウェアのアップグレードを求められることになるだろう。

 「Doom」シリーズの最新作「Doom 3」が今週発売になり、現在Amazon.comでは売上第1位になっている。しかしこのゲームが、開発元のId Softwareや販売元のActivision以外の会社にも、恩恵を与えてくれるかもしれない。システムへの負荷が非常に高い「Doom 3」のようなハイエンドゲームは、特にグラフィックスカードやチップのメーカーなど、ハードウェア企業の利益にもつながる可能性がある。

 スピードを追求するカーマニアと同じように、高性能のマシンを求めるゲーマーは、ハイエンドPCを専門にするベンダーにとって重要なターゲットになっている。アクション満載のシューティングゲームの愛好家は、「LANパーティー」の勝敗を左右するグラフィックスチップに関しては、最新のものを搭載したPCを用意することが多い。LANパーティーは、本格派のゲーマーが1〜2日間集まり、ネットワークに接続されたPC上で対戦するイベントだ。

 グラフィックスカードメーカーのNvidiaでデベロッパー担当の広報責任者を務めるBill Rehbockは、このように高いパフォーマンスを求められるゲームの売上がグラフィックスカードの売上につながるはずだと見ている。両者の間には密接な関係がある、というのがその理由だ。また同氏は、この売上拡大がほかにもハイエンドのゲームタイトルが登場してくる年末まで続くと見込んでいる。

 ことPCの出荷台数に関しては、ゲームシステムの影響は一時的でしかないが、これらは市場が向かう方向を示す重要な指標になる。

 調査会社IDCのアナリスト、Roger Kayは、「ハイエンドのゲームは選ばれた人だけのものだが、ほか(のユーザー)に対するペースセッターの役割を果たしている。その動きを見れば、今後主流がどの方向へ向かうのかが即座にわかる」と述べている。

 Kayはさらに、1997年までは、PCやハードウェア業界の方がソフトウェア業界よりも性能面で進んでおり、そのような状況が平均的なシステムの価格低下の要因の1つになった、と話している。しかし、ゲームを筆頭に負荷の高いアプリケーションが登場してハードウェアの性能に挑戦するようになり、システムの価格が徐々に上がってきた。

 「ゲームは最先端にあり、アップグレードの動機になっている」(Kay)

 調査会社GartnerのAnthony Krosも、Kayと同意見だ。「少数派だが増加傾向にある一部ユーザーが、特定のアプリケーションに合わせて、すべてのアップグレードを進めているのは非常に面白い」(Kros)

 ゲームをプレイするのに必要となるミニマムの動作環境は、普通のアプリケーションと比べて高めに設定されていることが多い。Doom 3の場合、Microsoft Windows 2000/XP、1.5GHz以上の Pentium 4もしくはそれに相当するAMD Athlonプロセッサ、384MBのメモリRAM、そしてハイエンドのビデオカードなど、いくつかの条件が並んでいる(Amazon.comの当該ページによる)。また、グラフィック機能内蔵型のチップセットを搭載するマシンは対象外だ。

 しかし、Krosによれば、こうした推奨コンポーネントを集めたマシンでも、決して理想的と呼べるゲーム環境にならない場合もあるという。同氏は、なるべく多くのユーザーにアピールすることを考えて、おそらくこうした条件を載せているのではないかと語った。

 

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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