アップル、「iPod」でHMVなど音楽流通へ販路拡大、ジャスコなどスーパーにも

 アップルコンピュータが、7月に予定している低価格のデジタルミュージックプレーヤー「iPod mini」の発売を前に、相次いで新規販売チャネルの開拓に乗り出した。

 第一弾として、外資系CDショップでは国内最大手のHMVと提携した。今月19日から関東地区の大型店舗10店で「iPod」の販売を開始する。これをきっかけに、他の音楽流通市場にも一斉に販売網を広げる。スーパーのジャスコが近く約50店舗のオーディオコーナーで販売を始めるほか、外資系の会員制大手スーパーとも、「ほぼ交渉がまとまっている」(アップル広報)という。

 アップルはこれまで家電量販店、パソコン専門店を中心に「iPod」を販売してきた。しかし、「iPodをコンピュータの周辺機器だけに限定せず、さらに幅広いユーザーに使ってもらうためには新規販売ルートの開拓が重要テーマになる」として、パソコン市場以外への本格的な販路開拓に取り組む。

 音楽業界では、従来、「iPod」などの携帯型デジタルプレーヤーについて、CDとの競合を懸念する声が根強かった。こうした問題も絡んで、海外に比べて日本の携帯型デジタルオーディオ市場は立ち後れが目立つ。世界では、iPodシリーズの販売台数は280万台に達し、今年1−3月の第1四半期の販売台数でも、前年同期比10倍の80万7000台と急激な成長を遂げている。一方、国内市場は、全体でも20万台強(2003年)といわれ、米国や韓国に大きく水をあけられているのが現状だ。

 こうした点で、今回、外資系トップのHMVがアップルと手を組んだ意味は大きい。他の大手CDショップなどにも同様の動きが波及する可能性が高く、今後の音楽流通全体にも大きな影響を与えそうだ。携帯型デジタルプレーヤー市場が一気に立ち上がる可能性もでてきた。

 HMVでは、当面の取り扱い店舗数を関東10店としているが、8月31日までの期間、発売キャンペーンとして「HMV meets iPod for MUSIC LOVERS」を開催し、「反響次第ではiPodを全店舗(全国45店)で販売する可能性もある」(同社関係者)と今後の拡大に含みをもたせる。

 また、アップルと共同で、6月19日(土)と26日(土)の両日に、HMV渋谷 2F特設ステージでミュージックイベントも開催する。ゲストにDJ・クリエイター・リミキサーとして活躍中でニューアルバム「Our history made in the night」をリリースするSUGIURUMNと、ニューアルバム「Hi-5」をリリース直後のHi-5を迎え、自身の音楽とMacとの接点を語るトークセッションや、Macを使ったオリジナル楽曲のライブ演奏も行う予定。

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