インテルを引き離しにかかるAMD--フラッシュメモリの新製品「MirrorBit」を発表へ - (page 2)

Michael Kanellos(CNET News.com)2004年06月14日 18時22分

 既存のMirrorBitチップは1セル当たり2ビットのデータ保存が可能で、通常16〜128メガビットのメモリを搭載する。

 新型MirrorBitチップも1セル当たりのデータ保存容量は2ビットだが、最大256メガビットのメモリを搭載し、性能面でも多くの改善が加えられている。Cambouによると、これらの変更が行われたことで、同チップは全体として密度、価格両面でNAND型チップに十分対抗し得るという。

 AMDは向こう数年以内に、MirrorBitチップの性能をさらに向上させる予定だ。具体的には、1セル当たりのデータ保存容量を4ビットに増やし、メモリ密度をさらに倍増させる。

 1セル当たりのデータ保存容量が4ビットのメモリの実現可能性について、他のメーカーからは疑問の声が上がっている。だがCambouは、MirrorBitのアーキテクチャにより、AMDが65ナノメートル製造プロセスに変更した後には、これが可能になると述べている。AMDは2007年から65ナノメートル製造プロセスでのプロセッサの製造を開始する予定だが、フラッシュメモリの改善は製造プロセスの変更に遅れを取るのが普通だ。

 調査会社Semico Researchのアナリスト、Jim Handyは、AMDがMirrorBitチップでNANDメモリの人気を下げることができれば、同社にとって大きなビジネスチャンスになると指摘する。昨年のNANDメモリの総出荷量は容量(メガビット)ベースで200%以上も増加した。日本製の携帯電話にはNANDカードが組み込まれ始め、さらにNANDメモリを使用するUSB(Universal Serial Bus)フラッシュドライブの世界の総出荷量は、2002年の500万台から2003年には2500万台へと急増している。

 しかしNOR型メモリも価格が安定しており、また度々品不足に陥るほど出荷が増えていることから、同メモリの販売も決して悪い商売ではない。一方、NANDメモリは生産能力過剰のため1月以来価格が半減してしまい、その影響で、出荷の増加により本来生じるはずだった売上増が帳消しになってしまった。

 Intelの幹部によると、同社もNAND市場に参入する予定だという。

 フラッシュメモリをめぐる戦いの大半は米国以外の国々で行なわれている。AMDのフラッシュメモリの総売上に占める日本向けの割合はおよそ3分の1で、また同社が日本以外にターゲットとしている地域としては韓国、中国、欧州が挙げられる。一方、米国のメーカー向けに出荷されるAMD製品は全体のおよそ5%にすぎない。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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