半導体設計のファインアーク(太田謙社長)は、処理性能と製造コストはそのままで、電池寿命を従来の3−5倍も長持ちさせる低消費電力の半導体を設計したと発表した。この半導体は、携帯音楽プレーヤー(シリコンオーディオプレーヤー)用で、携帯電話などに組み込むこともできる。
通常、MP3(音楽圧縮形式)などを再生する場合、半導体の動作周波数は最低でも75メガヘルツ程度必要だった。今回、ファインアークが設計した半導体では、処理性能と製造コストはそのままで、これまでの約6分の1となる12メガヘルツで動作させることに成功した。これによって、電池寿命は3−5倍に延ばすことができる。
また、MP3だけでなく、次世代の音楽圧縮技術と言われる「オッグ・ボルビス」にも対応している。今後は、音楽の再生に加えて、音楽の録音、あるいは映像の再生についても、より低い動作周波数で実現できるよう研究を続ける方針。
太田社長は、「たとえば、われわれの設計した情報を、携帯電話のチップの中に組み込めば、わずかな電力消費で、長時間、モバイルマルチメディアが楽しめるようになる」と、携帯電話などの携帯機器を開発するメーカーに、今回設計した設計情報を売り込む。早ければ、1年程度で実用化できるという。
ファインアークは、半導体の回路設計を専門とする半導体設計会社。
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