米ウェスタンデジタル、ノートパソコン用HDD市場に参入へ

 「次はノートパソコン用ハードディスク(HDD)だ」――。デスクトップパソコン/サーバ向けHDDを製造する米Western Digitalが、ノートパソコン用HDD市場に参入する機会を伺っている。

 Western Digitalはすでにモバイル向けHDD製品シリーズの開発に着手しており、「GOサインを出せば、すぐにでも市場に参入できる」(Western Digitalの企業向け製品部門マーケティングディレクターのSteve Wilkins)。

 しかし、同社のノートパソコン用HDDは、プロトタイプの組み立てにも至っていない。これに対して、Wilkinsは「(ノートパソコン用HDDは)間違いなく設計中だ。すでに技術開発も開始しており、すべての作業は内密に行われている」と語る。「実際問題は、“製品投入の時期をいつにするか”ということだけだ」(Wilkins)

 ノートパソコン用HDDは、Western Digitalのような企業にとって魅力的な市場だ。現在のHDD市場はデスクトップパソコン/サーバ向けが大半を占めるものの、ノートパソコンの出荷台数は急速に伸びており、「2002年は、世界におけるパソコン総出荷台数1億3600万台のうち、ノートパソコンが23.5%を占めた」(米IDC)。

 Western Digitalにとって、ノートパソコン用HDDは利益拡大のためのチャンスだが、市場参入にリスクは付き物だ。他のパソコン市場と同様、ノートパソコン市場では部品サプライヤーが激しい競争を繰り広げている。

 例えば、今週初めにはデスクトップパソコン/サーバ向けHDDメーカーの米Seagate Technologyが、新たにノートパソコン用の20GBと40GB容量のHDD製品シリーズ、Momentusをリリースしている。ほかにも、米Hitachi Global Storageや東芝、富士通などライバルは多い。

 市場参入の課題は、ライバル企業だけではない。ノートパソコン用HDDはスペース上の問題から、デスクトップパソコンのそれと比べて小型化が要求される上、消費電力を制限してバッテリー寿命の延長を図る必要があり、設計がより困難だ。現在、デスクトップパソコン用HDDは3.5インチ、最大容量250GBとなっているのに対し、ノートパソコン用HDDは2.5インチ、最大容量80GB。

 Western Digitalがノートパソコン用HDDをリリースするのは、新しいインターフェース仕様、Serial ATAの採用が活発化する頃になるだろう。パソコンメーカーはSerial ATAのHDDを搭載したデスクトップパソコンの製造を開始したばかりだが、将来はノートパソコンでもSerial ATAが普及するとみている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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